経済恐慌でも会社を存続させる方法

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現在、恐慌や不況について話している人が多い。グーグルトレンドによると、「recession(景気後退)」という言葉を含む検索は、過去数週間の間に倍増している。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは経済専門家を対象としたアンケート調査の結果に基づき、今後12カ月の間に景気後退が始まるリスクを20%と推定している。現在、株式市場は弱含みなものの、経済恐慌の状態ではない。しかし、デューク大学がアンケートを行った最高財務責任者(CFO)のほぼ半分は、2019年末までに景気後退が始まると予想している。

恐慌や不況が到来すれば、優先事項となるのは被害対策だ。本稿では、経済低迷時に被害を最小限に抑える方法を紹介する。

企業の売り上げが落ちた場合、経営陣は自社の具体的な状況を把握する必要がある。メディアは非常に悲観的な報道であふれるため、企業の特定の部門が不況時にどれくらい打撃を受けるかを理解しておくことが重要だ。あなたの企業の事業分野は、報じられるほど深刻なダメージを受けないかもしれない。

不況の影響を全く受けない分野はほぼ存在しないが、そこまで大きな影響を受けない分野はある。不況のリスクの危険性が低い分野としては、医療サービスなどがある。それと反対に、建設や資本財の分野は非常に循環型で、一般的に報じられるよりも深刻な被害を受けるかもしれない。自社のリスクを把握しておくことは、行動を起こすために欠かせないことだ。

不況を生き残る鍵は現金だ。売り上げが減っている場合は通常、営業経費を減らさなければならない。それには人員削減が必要となる場合がほとんどだ。気持ちが良いものではないが、不況を生き残る可能性が最も高いのは迅速に行動を起こす会社だ。

企業間信用を提供している企業は、回収を厳しく行わなければならない。営業部門からは、競合企業が提示する緩い取引条件に合わせることを要求されるが、不況時に現金を受け取らないまま商品を出荷することは非常に危険だ。サービス企業ではほぼ必ず、金が入る前に従業員に給与を支払わなければならないが、金がいつも必ず入ってくるとは限らない。
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編集=遠藤宗生

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