社会が直面する「睡眠の危機」 解決策は思うより簡単

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NPOグローバル・ウエルネス・インスティテュート(Global Wellness Insitute)が先日発表したデータによると、健康ビジネスは成長を続け、現在4兆ドル(約450兆円)を超えている。健康への関心は上がり続けており、このトレンドは睡眠業界でも続いている。

世界的な睡眠健康市場の推定規模はまちまちだ。睡眠補助具分野は睡眠健康市場のほんの一部に過ぎないが、その推定市場規模は2016年には4950万ドル(約56億円)で、2022年までに7980万ドル(約90億円)に拡大する見通しだ。

新たな業種やビジネス、ブランドは定期的に現れ、数多くの睡眠補助具やより質の良いマットレス、さらには睡眠療法のサービスさえも提供されるようになった。それでも30%の人がいまだに睡眠が取れていないことを考えると、提供されているものと、実践されているものとの間にミスマッチがあることは確かだ。おそらくこれこそ、この市場が成長を続ける理由なのだろう。習慣を変えたいという明確な気持ちがあるものの、それを必ずしも実践できていないのだ。

睡眠を健康維持のための習慣と考えていない人は、根幹となるものを見逃している。

これは、地位の高い人だけにとっての話ではない。あらゆるレベルの人が、仕事上のプレッシャーを感じている。提供される健康促進商品は増えているにもかかわらず、優先されるべき睡眠が疎かにされている。健康的な食事や、ストレス削減のためのヨガやトレーニングは手が届きやすくなる一方で、私たちはもっと身近な選択肢のことを忘れてしまっているのだ。

睡眠好きの私は、睡眠時間を2~3時間削った状態で平均的な1日を乗り切ること、ましてやストレスが多くスケジュールの詰まった1日を送ることなど、とても想像できない。

睡眠は、私たちの誰もが自分でコントロールできるものであり、「天国の鍵」になり得るものだ。健康や幸せを改善し、仕事や生活のプレッシャーを緩和したければ、睡眠が最高の出発点となるかもしれない。

編集=遠藤宗生

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