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2019.01.02 17:00

旅館が20年で9割減った南魚沼市で、私が民宿を始めた理由


4泊していったドイツ人の学生4人組は、ホタルを拠点に、周辺を観光した。片道2時間半かかる金沢市まで日帰りで行った。「JRパス」という外国人観光客専用の新幹線乗り放題パスがあり、彼らは私たち日本人とは異なる距離感で動く。90分で行ける東京に日帰りで行くお客さんもいた。
 
稲刈りの時期、日本在住の外国人2万人が情報共有するSNSに「コシヒカリの名産地で稲刈り体験をしませんか?」と投稿してみると、すぐにアメリカ人家族から予約が入った。その家族の紹介で、別の家族も泊まりに来てくれた。
 
外国人観光客がたくさん来るということは、日本人では気付くことのできない観光資源が発掘できるということだ。「廃寺に泊まるなんて怖い」という日本人はいるのかもしれないが、外国人からしたら、築200年以上の文化財で寝泊まりできる体験は貴重なのだ。
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日本人の旅スタイルは、1週間以内の旅行で観光名所めぐりを目一杯詰め込むプランが多い。しかし外国人には、自由に行き当たりばったりの長旅をしたいと思う人が多い。日本人より休暇が長く、JR乗り放題のパスもあるため、ユニークな体験ができれば、そこが無名な場所であっても、外国人はやってきてくれる。
 
外国人労働者も外国人観光客も今後増え続ける。「言葉が通じない人がたくさん来るのは不安」という人もいるかもしれないが、私たちと違う価値観を持った人たちが来るということは、従来の価値観では活用できなくなっている文化財や観光資源が再生されるチャンスでもある。是非、この機会に多様な価値観を吸収することで、地方の活性化につなげていこうではないか。

文=黒岩揺光

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