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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

ヒュンダイ・ヴェロスターN

日本にいると、韓流ドラマは観れるし、コリアンフードも食べられて、Kポップもエンジョイできる。でも、韓国車には乗れない。それは非常に残念なことだと思う。

日本はこんなに国際的な国になり、これだけ多種多様な欧米車が買えるようになったにもかかわらず、日本人は世界が今、非常に高く評価している韓国車には乗ることができない。ところが、そんな韓国車が最近、性能、コスト、何よりもデザインの面で日本車と並んだ。いや、ある部分で超えているとも言える。

走り好きはたまらない

僕は11月、ロサンゼルスでヒュンダイのスポーツカーに乗るまたとないチャンスを得た。その名は、ヴェロスターN。

一言で表現すれば、「ヤバい!」。こんな格好良くてこんなに乗って楽しいクルマに乗ったのは久しぶりだ。ホンダのシビック・タイプR以来だろう。

実は、そのタイプRはヴェロスターNのライバルの1つだから、比較する意味があると思う。ヴェロスターNとタイプRの何が違うかというと、機能や空力抵抗しか考えていないように見えるタイプRに対して、ヴェロスターNはスポーツカーとしての機能性に合わせて美しさ、格好良さを含めたデザインに仕上がっているということだ。

僕がヴェロスターNのデザインで特に気に入っているのは、大きな6角形のグリルに上がり目にシャープなヘッドライト、それにアクセントとしての真っ赤のリップスポイラーとルーフスポイラーだ。外観をパッと見ただけで、「適度にエッジの効いたボディは、速そうでハンドリングは良さそうな感じ」を予感させた。

グリルの中のさりげない「N」のバッジはヴェロスターNの「N」で、BMWの「M」、ホンダの「R」と同様、ヒュンダイの高性能ブランドを示している。ヴェロスターNの下には、ベースグレードのヴェロスターもあるけど、僕が乗ったN仕様車は最高スペックだ。ターボ付きの2.0リッターが叩き出すのは275ps。でも車は軽いので十分以上のパワーだ。



タコメーターのレッドラインは6750回転だけど、このエンジンは3000回転からレッドラインまで特に力強く引っ張ってくれる。ノーマルモードで走ってもアクセルレスポンスは速いけど、「N」モードに入れると、スロットルレスポンスがより敏感に、ステアリングがよりクイックになり、サスペンションがより硬くなるので、走り好きは常にNモードで走りたがるだろう。

Nモードの状態でも多少ターボラグはあるものの、加速性は非常に気持ちが良い。でも、気持ちがいいのは加速だけではない。思い切り加速をして、そしてすぐにアクセルを緩めた時の、「ポポポ、パパパ」というエキゾーストノートがたまらない。もう一つ気に入ったのは、ストロークが短い6速MT仕様しかないということ。

シャシー剛性も高いし、スポーツのサスペンションやグリップ力の高い19インチのピレリPゼロのタイヤに加えて、全く新しい電子制御LSDが搭載されたおかげで、コーナリング性能はニヤーッと頬が崩れるほど軽快でレースカー並みだ。FFなのに、ステアリングはピンポイントかつ適度な重さで、よほどのことをしない限りアンダーステアは出ない。

こいつはタイプRといい勝負だ。エンジンパワーはタイプRに少し劣るけど、加速感はほぼ同様で、しかも前輪駆動のスポーツカーの一番速いタイプRのコーナリング性能には負けていない。

文=ピーター・ライオン

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