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フリーライター/エディター




チームは少なく、アイデアを話し合える仲間をもて


藤井:ユーチューブを去ったのは2010年ですが、退任後は何をしているのですか。

ハーリー:エンジェル投資です。テクノロジーには、まだまだたくさんのチャンスがありますから。

私の成功の要因は、常に好奇心を保っていることです。次のスターになるものを探すのではなく、自分が興味を持つもの、すごいなと思うものを探す。探究心が掻き立てられるものを追い求めるんです。

そして、このブレイクスルーは小さなものに目を向けなければ実現しません。いままで他の人が気がつかなかった小さなことに注目する。そういうことをやっていきたいと思っています。

藤井:あなたの経験は、日本のオーディエンスにとっても大いに参考になるのではないでしょうか。若い起業家にアドバイスをお願いします。

ハーリー:そうですね……。私はアイデアを思いつくたびにメモをとるようにしています。何かひらめくたびに、スマホのノートパッドアプリに必ず記録している。お酒を飲みすぎたときでも、眠りにつく直前でもです。その時には、一緒にスケッチを残すことも多い。

全てを実行できなくても、たまにメモを振り返るだけでも価値があります。もしかしたら、ここから未来のユーチューブが見つかるかもしれません。

もう一つは、対話すること。同じ考えをもつ人とコーヒーを飲みながらただおしゃべりをする。辻褄が合わなかったとしても、自分の考えを話す相手がいるというのはいいことです。彼らがアイデアを別の視点から見てくれたり、新たなアイディアをもたらしてくれたりしますから。

那珂:対話するためには話し相手が必要ですが、ユーチューブは少人数のチームだったとおっしゃっていましたよね。

ハーリー:投資する会社には、大きなチームは必要ありません。2〜3人が最高です。意見が多すぎると、かえって逆効果なことがありますからね。

私も10人くらいので何かをつくろうとしたとき、「誰かが考えてくれるだろう」とか「自分の責任ではない」と考える人たちの批判に悩んだことがあります。議論もチームも、少人数がいいですね。小さければ小さい程いい。

藤井:最後の質問です。アメリカのようなスタートアップを日本で産むにはどうすればいいでしょうか。日本市場をあなたはどう見ているかを教えてください。



ハーリー:日本はイノベーションに適した市場だと思いますよ。テクノロジーの伝統もあるし、創造性もある。偉大なスタートアップは至るところから生まれます。たしかにこれまでは成功を収めたスタートアップはシリコンバレーから生まれることが多かったですが、いまはあらゆるネットワークやインフラに簡単にアクセスできます。

それからスタートアップに大切なのは、あまり複雑にしないことですね。「考えないこと」が失敗を招きます。プロダクトは全て自分自身のためにつくっていると考えて、コアな価値を生み出すことに集中してください。たくさんの意見に振り回されると、結局ムダなものを作ってしまいます。

他の人たちから見て、自分が優れていると思う小さなことに集中するのです。そしてユニークにするのです。頑張ってください。応援しています。

編集・構成=野口直希 撮影=嶺竜一

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