充実した生活を送る方法をワークライフバランスの観点から定義することは的外れであり、落胆につながる。私たちは、存在しないものを追い求めて時間を無駄にするのをやめなければならない。
企業幹部向けの健康コーチである私は、ワークライフバランスを議論するのが的外れである理由を発見した。以下に、仕事と生活にホリスティック(全体的)な観点から取り組むための、より現実的で意義のある方法を紹介する。
1. 生活は円グラフではない
ワークライフバランスという言葉を聞くと、思い浮かぶものはきれいな円グラフだ。完璧な円グラフでは、一つ項目を追加するためには他の項目を減らさなければならず、ゼロサムゲームになってしまう。しかし実際の人生はそうではない。
家族のためにアップルパイを切り分ける場合、バランスの取れた分け方とは、それぞれ同じ大きさの一切れを渡すことだろう。では、仕事と生活のグラフは半分ずつに分けるべきなのか、それとも仕事と人間関係、セルフケアの3つに平等に分けるべきだろうか? そもそも、こうした分け方は現実的、あるいは実現可能、ましてや望ましいものなのだろうか?
2. 生活は流動的
仕事と私生活の割合は、大きく変動する。締め切り間際や繁忙期などには、バランスが仕事の方に傾くだろうが、病欠時や休暇中などは仕事以外に傾くはずだ。
これは、ある週はバランスが取れているのに翌週にはそれが突然崩れていることを示すのだろうか? そうではない。私たちはただ、生活の中で変わりゆくニーズやテンポに反応しているだけだ。
仕事や生活は季節のように変化を繰り返していく。仕事と生活のその他の部分をはかりに掛け、バランスが取れているかを見ようとするのは無駄な作業だ。私たちは、その瞬間や状況で最適な割合を見つけなければならない。