3. 仕事と生活は切り離せない
分離できない2つのものの間でバランスを取ることはできない。ワークライフバランスという議論の負の副産物の一つは、多くの人にとってさまざまな形で相互につながっている生活を切り分けてしまうことがある。
私たちは3分の1の時間を仕事に費やしており、仕事を生活から分離したり、仕事と生活のバランスを取ったりはできない。仕事の重要性は人によって違い、仕事は仕事だと考える人もいれば、自分という人間の重要な一部だという人もいる。仕事が好きで週60時間以上働いている人は、生活のバランスがとれていないことに罪悪感を持つべきだろうか、それとも好きなことができることに感謝するべきだろうか?
特にミレニアル世代は、仕事と生活を別々のものとして考えず、2つの境界線を意図的にあいまいにしようとしている。これは仕事中毒なのではなく、仕事と生活を全体的な視点から見ていることを示す。仕事を含む生活全ての中に、意味や目的、満足感を求めるのだ。ワークライフバランスについて話しても、今の若者世代には響かないだろう。
4. 時間は量ではなく質
私の上司だった故スティーブ・ジョブズは、量よりも質が大事だとよく強調していた。ジョブズの会議は非常に焦点がしっかりしていて、時間の意識が高く、参加者の数は最低限にとどめ、ただの傍観者はいなかった。ジョブズは会議に完全な積極性をもって参加し、他のメンバーも同じ態度で臨むよう求めた。ジョブズが金銭的な利益よりもアップル製品の質の向上に時間を費やした。このおかげで、同社は後に米史上初めて時価総額が1兆ドルに達した企業となった。
量よりも質に注力すれば、1日の過ごし方によっては4時間勤務でも10時間勤務より生産的になり得る。この考え方は、仕事以外にも応用可能だ。人間関係では広く浅くではなく狭く深くを意識したり、ソーシャルメディアや仕事に気を取られずに家族との時間を大切にしたり、時間がないと愚痴をこぼすのではなく今ある時間を賢く使ったりといった行動を取ろう。
起きている時間の大部分を仕事が占めてしまう日もあるのは避けられないが、それでも生活の別の部分にはマインドフルな姿勢で臨むことができる。