子供の頃からレッスンに明け暮れる日々を送り、「気がついたら、ここにいた」と語る彼女はウラジオストクの魅力についてこう話す。
「初めてウラジオストクに来た頃は、モスクワに比べてなんて小さな街と思っていたけれど、レストランの質はモスクワと比べても遜色がないほど高い。街から海が近いのも魅力で、休日は夜の海辺を散歩するのが好きです」
彼女のおすすめレストランは、夏は海水浴場にもなるスポーツ湾に面した地元でも人気のジョージア(旧グルジア)料理店「スプラ」。「スパイシーなスープのハチャプリや串焼き肉のシャシリクがおいしい。ウラジオストクには、多国籍料理のレストランがたくさんあります。この前いとこが来たので連れて行くと、喜んでいました」
中央アジア風のエキゾチックな内装の「スプラ」は地元の家族客や外国客でいつもにぎわっている
西田さんの舞台が観られるマリインスキーバレエ団の公演シーズンは、7月中旬から翌年5月までだが、冬こそメインである。
同劇場では、クリスマスシーズンに入った12月22日から「くるみ割り人形」の連続公演が始まっている。ご存知のように、クリスマス・イブの一夜の夢の物語である。実は、ロシア正教の国のクリスマスは12月25日ではなく、1月7日である。年明けまで公演は続く。ウラジオストクの「くるみ割り人形」はサンクトペテルブルクとは異なるオリジナルバージョンだそうだ。
「くるみ割り人形」アラビアの踊りのシーンの西田さん
先月上旬、その公演を観た。前日に西田さんに会って話を聞いていたせいかもしれないが、まるでおとぎ話のような光景の連続で、華やかな衣装を身に纏ったバレリーナたちの舞い踊る姿を、2時間半の間、飽きることなく、ただ見とれてしまった。
ちなみに、公演チケットは、席にもよるが3000円くらいから。気軽に楽しめるのもまた魅力だ。
連載 : ボーダーツーリストが見た北東アジアのリアル
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