日本人バレリーナも活躍するウラジオストクで本場のバレエを観る

「くるみ割り人形」の公演(2018年11月上旬撮影)


子供の頃からレッスンに明け暮れる日々を送り、「気がついたら、ここにいた」と語る彼女はウラジオストクの魅力についてこう話す。

「初めてウラジオストクに来た頃は、モスクワに比べてなんて小さな街と思っていたけれど、レストランの質はモスクワと比べても遜色がないほど高い。街から海が近いのも魅力で、休日は夜の海辺を散歩するのが好きです」

彼女のおすすめレストランは、夏は海水浴場にもなるスポーツ湾に面した地元でも人気のジョージア(旧グルジア)料理店「スプラ」。「スパイシーなスープのハチャプリや串焼き肉のシャシリクがおいしい。ウラジオストクには、多国籍料理のレストランがたくさんあります。この前いとこが来たので連れて行くと、喜んでいました」


中央アジア風のエキゾチックな内装の「スプラ」は地元の家族客や外国客でいつもにぎわっている

西田さんの舞台が観られるマリインスキーバレエ団の公演シーズンは、7月中旬から翌年5月までだが、冬こそメインである。

同劇場では、クリスマスシーズンに入った12月22日から「くるみ割り人形」の連続公演が始まっている。ご存知のように、クリスマス・イブの一夜の夢の物語である。実は、ロシア正教の国のクリスマスは12月25日ではなく、1月7日である。年明けまで公演は続く。ウラジオストクの「くるみ割り人形」はサンクトペテルブルクとは異なるオリジナルバージョンだそうだ。


「くるみ割り人形」アラビアの踊りのシーンの西田さん

先月上旬、その公演を観た。前日に西田さんに会って話を聞いていたせいかもしれないが、まるでおとぎ話のような光景の連続で、華やかな衣装を身に纏ったバレリーナたちの舞い踊る姿を、2時間半の間、飽きることなく、ただ見とれてしまった。

ちなみに、公演チケットは、席にもよるが3000円くらいから。気軽に楽しめるのもまた魅力だ。

連載 : ボーダーツーリストが見た北東アジアのリアル
過去記事はこちら>>

文=中村正人 撮影=佐藤憲一

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事