働き過ぎがキャリアに悪影響な理由

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カス・ビジネス・スクールの研究チームは管理職の人々に対し、この問題に真正面から取り組むことを求めており、最初のステップとして、従業員に対し業務を完了させる方法や時期を自分で決める自由と自律性を与えることを提案している。

「従業員がこうした自由を持てば、自分により都合の良いやり方で働けるようになり、生産性が増す。組織のリーダーは、こうした自由をできる限り従業員に与えるとともに、従業員を過度な状況に追い込むことによって生じる長期的な制約を意識すべきだ」とチームは述べている。

こうした戦略を粘り強く続けることは重要だが、ノルウェーのベルゲン大学の研究者らによる調査では、仕事依存は精神疾患の一形態となり得ることが示唆されている。1万6000人の大人を対象にしたこの調査では、上記のスケールを用い、各回答者に対してADHD(注意欠如・多動症)やOCD(強迫症)、仕事依存について質問を行った。

その結果を分析した結果、仕事依存と複数の精神疾患の間には明確なつながりがあることが分かった。仕事依存の兆候を見せた回答者の間ではそうではない回答者に比べ、不安症や鬱、OCD、ADHDの比率が顕著に高かった。

精神的な健康を身体の健康と同じように重要視する職場が増える中、雇用主は自分のため、そして従業員のため、過労の問題に正面から取り組むべきだ。

編集=遠藤宗生

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