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ブッククラブ「ハロー・サンシャイン」を立ち上げた、女優のリース・ウィザースプーン(Photo by Robin Marchant/Getty Images for Hello Sunshine x Together Live Tour)

米国の出版業界が今、熱い期待を注ぐのがブッククラブの復権だ。読書好きが集まるブッククラブは会員になると毎月、話題の書籍が割引価格で購入できるカタログが送付されてくる仕組みで、1960年代から人気を博していた。

ブッククラブの人気はEコマースの隆盛とともに、下火になっていたが、SNSを活用した新しい形のブッククラブが注目を集めている。

女優で起業家のリース・ウィザースプーンが2015年に、インスタグラムで立ち上げたブッククラブ「ハロー・サンシャイン」は、現在80万人以上のフォロワー数を誇り、巨大な影響力を発揮している。

ハロー・サンシャインで紹介されたケイト・クインの「The Alice Network」やセレスト・インの「Little Fires Everywhere」は、掲載から間もなくベストセラー入りを果たした。このサイトは単なるブッククラブの枠を超え、メディア企業としての役割も果たしており、Little Fires EverywhereはHuluでドラマ化が決定した。


ハロー・サンシャインのイベントに登壇した、リース・ウィザースプーン

ハロー・サンシャインはNBCやアップルTVの番組製作も手がけ、ソニー・ピクチャーズ傘下のトライ・スターとは映画製作を進めている。さらに、オーディオブック配信企業のオーディブルとは複数年契約を結び、ハロー・サンシャインがセレクトするコンテンツを毎月配信している。

有名人が立ち上げたブッククラブとしては、英国の女性シンガーソングライター、フローレンス・ウェルチの「Between Two Books」や、女優エマ・ワトソンの「Our Shared Shelf」、同じく女優のエマ・ロバーツらが立ち上げた「Belletrist」なども知られている。

さらに、本を中心としたサブスクリプション型のサービスも台頭している。今年8月に始動したWILDWOMANは毎月、女性向けにキュレーションされた書籍やボディケア製品の詰め合わせボックスを届けている。SNS上ではマイクロインフルエンサーと呼ばれる人々が立ち上げたブッククラブが続々と誕生しており、インスタグラム上で#bookstagramのハッシュタグを添えた投稿は2600万件を突破している。

メディア企業が独自のブッククラブを立ち上げる動きも活性化している。ニューヨーク・タイムズは報道番組のPBSニュースアワーと共同で、Now Read Thisというプラットフォームを設立した。バズフィードも今年10月にBuzzFeed Book Clubを立ち上げたばかりだ。

これらのメディア企業のブッククラブでは出版業界のエキスパートがレコメンドを行い、利用者はフェイスブックグループで感想を話し合っている。

ソーシャルメディアを軸とした、ブッククラブ復権の流れは今後も続いていきそうだ。年末から新年の1月にかけての時期は毎年、電子書籍やオーディオブックの売上が大幅に上昇する傾向がみられる。新年の抱負に、読書量を増やすことを掲げる人は多いが、ブッククラブに加入することが、より良い読書体験を得る上で、最善の策となるかもしれない。

編集=上田裕資

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