「私たちは、従業員にとって正しいことをすることで世界を変えるという壮大なアイデアを持っている」とラストリア。「結束とつながり、目的意識を通してリードすることで、食品サービスの領域において他社にとってのケーススタディーになりたいと思っている」
アンドピッツァは、高い賃金の提供と従業員の開発に力を入れている。同社は、主にマイアミからボストンまでの米東海岸沿いで現在35店舗を経営し、今後1年半でその数を倍増させる計画だ。
全ての店舗は会社直営で、ラストリアはこれが大きな強みになると考えている。投資家も、それに合意のようだ。同社は2016年に集めた2500万ドル(約28億円)の投資を含め、事業拡大のため複数の資金調達ラウンドを与えられている。
「技術や給料などを通して継続的に破壊が起きる時期と場所では、現場に出て自分で実際に作業を行うことにメリットがある」とラストリア。「当社はこのプロセスを、誰かを通してではなく毎日自分たちで経験しているため実情を理解している」
ラストリアは、同社の今後5~10年間について非常に強気だ。
アンドピッツァの新たな市場参入方法には、2つの新たな小売形態がある。1つ目は、移動型業務用厨房を使用したデリバリーに注力したものだ。ウーバーイーツのデータを活用し、消費者行動の日次・週次・年次の変化に基づいて供給量を決める。
同社は今秋、マイアミ市内の業務用厨房やフードトラックのネットワークからピザの配送を始めた。同社は米プロフットボールリーグ(NFL)に所属するマイアミ・ドルフィンズの本拠地、ハードロック・スタジアム内に2カ所の売店を持ち、同市場では小さいながらも既にビジネスの存在を確立している。
同社は現在、市場全体における消費需要をリアルタイムで満たすため、ウーバーイーツのヒートマップ(色分け地図)技術や場所、時間を使用している。ラストリアは、ある地点でランチのピザ配送をしたトラックが、ディナーの時間帯には他の地点に移ることができると説明した。
アンドピッツァは、特定の市場における最初の実店舗の場所を決めるためにデータを活用する予定だ。「私たちは、ドルフィンズやウーバーイーツとの協力関係を通し、配送のみの事業コンセプトをマイアミで実現しようとしている」とラストリアは述べた。
「新しいのは、業務用厨房として機能するピザトラックを作ったこと。顧客は自分たちの食べるピザがトラックで作られていることを知らないし、気にしていない。これにより、場所による業績の違いを理解するため市場の中のサブ市場を試す柔軟性が持て、不動産戦略としても活用できる」