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科学技術の未来、文化について執筆

Masha Petrakova / Shutterstock

「ヴァージン・ギャラクティック」が12月13日に打ち上げた有人宇宙船は、宇宙空間を無事に飛行した後、カリフォルニア州の砂漠地帯への着陸に成功した。パイロットのMark Stucky とFrederick Sturckowらは、2011年のスペースシャトルの打ち上げ以降で初の有人宇宙飛行を成功させた。

今後、さらなるテストを重ねた後、同社は2019年にも商用宇宙旅行を実現しようとしている。これらの顧客は2009年にシルク・ドゥ・ソレイユ共同創業者のギー・ラリベルテが、ロシアのソユーズTMA-16に搭乗し、国際宇宙ステーションに滞在して以来初の、民間人の宇宙旅行者となる。

ヴァージンは宇宙旅行のチケットを25万ドル(約2800万円)で発売し、初回分は全て売り切れになった。

商用宇宙旅行の実現が話題にのぼるようになったのは、2009年頃だった。しかし、当時想像されたよりは時間がかかっている。昨年7月には宇宙旅行企業のXコアが全社員を解雇していた。ヴァージン・ギャラクティックも2014年に、テスト飛行中の宇宙船が空中分解する事故を起こし、副操縦士が死亡していた。

宇宙分野のアナリストのBill Ostroveはこう述べている。「ここ数年、あともう1年で宇宙旅行が実現するといわれ続けてきた。しかし、ヴァージン・ギャラクティックのテスト飛行の成功を受け、いよいよ来年にはこれが現実になりそうだ」

ヴァージン・ギャラクティックが提供する宇宙旅行は準軌道(サブオービタル)タイプのもので、地球を周回するのではなく、地上100kmの宇宙に到達した後、帰還する。ジェフ・ベゾスの「ブルー・オリジン」も同社のロケットのニュー・シェパードで、同タイプの宇宙旅行を計画している。ニュー・シェパードは既に複数回の打ち上げに成功しているが、商用宇宙飛行の開始の期日は明確にしていない。

ここで浮かぶ疑問が、果たして宇宙旅行の需要がどれほどあるかだが、投資企業Space AngelsのCEO、Chad Andersonは楽観的な見通しを示す。「既に数多くの顧客がヴァージンにデポジットを支払っており、同社は値上げも考えている。ヴァージンはこのビジネスへの自信を深めている」

飛行機と同じプロセスで一般に普及する

アナリストのOstroveも同意見だ。「ヴァージンは既に700名から前払金を受け取ったと推測できる。定期的な運行を行うための十分な需要がある。安全性が確認されれば、さらに多くの顧客が宇宙旅行を申し込むだろう」

スペースXも既に、月を周回する宇宙旅行のチケットを、日本のビリオネアの前澤友作に販売した。同社は人々を火星に送るプランも描いている。また、今年11月にワシントン・ポストはNASAが自社で、国際宇宙ステーションへの旅を民間人に販売する計画を進めていると報道した。

宇宙旅行のチケットは決して安くはない。ブルー・オリジンの場合も、25万ドル程度になると見込まれる。しかし、Andersonは時間が経てば、価格は安くなると考えている。

「飛行機が登場した当時と、同じことが起こるだろう。最初に飛行機を利用したのは大金持ちや政治家たちだけだった。しかし、25年ほど経つとエコノミークラスの旅が一般人にも可能になった。宇宙旅行も同様なプロセスを経て、普及していく」とAndersonは話した。

編集=上田裕資

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