有楽町マルイに期間限定でイベントスペースが設けられた時は、寒竹も現場でお客さんの意見を聞いたという。
──8月にローンチしてからは、いかがですか。
開始から約4カ月ですが、すでに成果が出始めていると思っています。口座開設をお申込みのお客さまの約9割は20〜40代。
また、全体の6割、20代の8割は投資が初めての方です。事業開始前に私たちが立てた仮説が正しかったと証明できているのではないでしょうか。
──「誰でも、気軽に」というコンセプトは、どのように表現していますか。
証券会社のWebサイトって、難しいですよね。tsumiki証券のサイトは、必要最低限の機能に絞りとてもシンプル、また「投資が初めてでも、わかりやすい言葉づかい」を追求しています。
またデザインにもこだわっています。社名やロゴ・Web・店頭を含め、すべてパステルカラーの優しい雰囲気で統一し、親しみやすさを表しています。
──証券業界において女性の取締役はまだ珍しく、社会における「女性の活躍推進」という意味でも寒竹さんは注目されています。そのことについて、ご自身ではどのようにお考えですか。
自分では、そこまで「女性だけど頑張る」とか、「女性だけどここまで昇進できた」というような意識を抱いたことはほとんどありません。
それは、会社にも、社会にも、自分が活躍できる環境が整っていたから。丸井グループは、2013年頃から女性の役員・管理職登用を積極的に進めてきました。
とはいえ、社員の約半数が女性ということもあり、私が入社した97年頃からすでに現場レベルでは女性ショップ長もたくさんいて、女性が活躍しやすい土壌ができあがっていました。
また、当社に限らず、社会全体に女性が働きやすい環境が整い始めている。私たちの世代は、そこから自分がどう展開していくか、というフェーズを迎えていると思っています。
寒竹明日美(かんたけ・あすみ)◎1997年丸井グループに入社。約2年の店舗勤務の後に経理部に異動し、以降、経営企画・財務部門で当社グループの経営計画・事業計画の策定に携わる。2014年に国分寺マルイ店次長(副店長)を務めたほか、IR部の課長として投資家との対話を担当。18年2月、tsumiki証券代表取締役CEOに就任した。2018年に「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018」先駆者賞受賞。