私がテスラ「モデル3」をまだ欲しくない理由

テスラ モデル3(Photo by Chesnot/Getty Images)

2016年3月31日、筆者は1000ドル(約11万2000円)を払って電気自動車(EV)のテスラ「モデル3」を予約するため、長い列に加わった。車が数年先まで手に入らないことは分かっていたが、経験のためにそうした。

そして少し前、私はテスラのショールームへ行き、モデル3を試乗してきた。加速もハンドリングも素晴らしく、「高級車」という感じがしなかった点を補うのに十分だった。

問題は価格と売り方だ

モデル3の生産と納車が遅れていることは、私としては気にならない。予約したとき、車をすぐに買い換えたいと思っていたわけではないため、大きな問題ではないのだ。

それに、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は以前からずっと、販売開始の時期や生産台数について、大きすぎる約束をして、それを下回る程度にしか提供できないということを繰り返してきている。

問題だと思うのは、テスラとマスクが発売するモデル3の複数のグレードについて当初、3万5000ドル(約390万円)の「ショートレンジ」を最初から提供するかのように売り込んでいたことだ。だが、現時点でもそのグレードは、来年まで発売されないことになっている。

また、テスラはモデル3の「ショートレンジ」にオプションでオートパイロット(自動運転)機能を付けた場合には5000ドルの追加となり、販売価格は4万ドルになると発表していた。現在販売されている「ミッドレンジ」は4万6000ドル。それに加えて5000ドルが必要になるとすれば、彼らの当初の宣伝は、おとり商法だったようにも思える。

さらに、米国では来年から、EVに適用されている7500ドルの補助金が段階的に減額される。来年前半には3750ドル、後半には1875ドルとなる見通しだ。
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編集=木内涼子

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