フォーブス ジャパン編集部 エディター


そうした中、なぜつくば市は「つくばTomorrow Labo」の第1回テーマを「VANLIFE(バンライフ)」にしたのか。その理由を五十嵐はこう語る。

「バンライフは防災や働き方、あるいは暮らし方の観点からも“世界のあした”をいっている。例えば、大規模災害が発生した際、安全な居住空間をクルマで確保したり、家族の介護と仕事の両立が必要となった場合に、どこでも仕事ができる環境が整っていれば、不安も大きく軽減できる。加えて、つくばの自然環境や科学技術の集積という密接性を存分に生かしながら、つくばの魅力を感じてもらえると思い、バンライフに注目しました」

五十嵐の言葉にもある通り、東日本大震災以降、自家用車には被災時のシェルター的な役割も期待されるようになり、居室空間の広い自動車は販売シェアの大半を占めている。また、キャンピングカーの国内売上も過去最高を記録している。

それに伴い、「バンライファー(バンで暮らす人たち)」が現れ、インスタグラムでは約400万件も「#VANLIFE」がタグ付けされており、いま注目を集めるキーワードとなっている。

「一見、定住とは真逆の概念である『バンライフ』ができるまちは、案外、住みたいまち、訪れたいまちかもしれない。つくば市が重視するSDGsの観点でも“これからのやさしさのものさし”になるヒントを『バンライフ』から探っていきたいと思います」

なぜ、「ふるさと納税型クラウドファンディング」を実施するのか?

また、つくば市はマクアケと連携し、国内では初めて「ふるさと納税型クラウドファンディング」を実施する。

これは「つくばVAN泊2019」の開催にかかる費用の一部を、寄付金によって充当するとともに、体験型の返礼品などによる話題性や来訪動機づくり、関係人口創出に向けた市外への周知手段の多様化を図ることが狙いとなっている。

目標金額は「100万円(上限200万円までリターンを準備)」だという。

「つくば市内で開催するマラソンの出走券など人気のあるリターン(返礼品)もあるが、全体的には寄付金の流出が流入を大きく上回っており、昨年度では約4億円のマイナス。税収に大きな影響を及ぼしており、これは非常に頭の痛い問題でした。そうした中で、つくば市として何ができるか考えた結果、マクアケを活用してみることにしました」

今回、つくば市が取り組む「ふるさと納税型クラウドファンディング」は地方自治体が実行者としてプロジェクトを立ち上げ、インターネット上で不特定多数の人からプロジェクトへの寄附を募るというもの。一般的なクラウドファンディングとの違いは、寄附金額の一部が所得税及び住民税から控除される点にある。

写真=小田駿一

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