ラセンザの売却は、Lブランズが運営するブランドの中で最大の規模でありながら、業績の低迷が続くVSのてこ入れを図ることが狙い。具体的な金額は公表されていないが、リージェントは負債を含めたラセンザの全資産を取得する。
Lブランズは9月、赤字経営が続いていた傘下の百貨店、ヘンリベンデル・チェーンを来年1月に閉鎖する計画も発表している。VSの事業は単独で、ヘンリベンデルとラセンザを合わせた規模の少なくとも10倍に当たる。
達成困難な課題
Lブランズは、傘下のブランドの中でも規模が大きく、成長潜在力があるものに事業を絞り込みたい考えを以前から明らかにしていた。だが、VSの立て直しは容易に達成できる課題ではない。
国内トップのランジェリーブランドであるVSは2016年以降、四半期の売上高が前年同期を下回ることが続いており、Lブランズに最大の利益をもたらすブランドとしての地位をすでに失っている。
VSの今年第3四半期の営業利益は、前年同期比で-89%を記録。およそ1億2000万ドルの減収となった。バス&ボディワークスの同期の業績は好調だったものの、VSのあまりにも大幅な減収をカバーするには至っていない。バス&ボディワークスの年初来の売上高は、Lブランズ全体の売上高のおよそ3分の1になっている。
VSが「消費者との密接な関係」を失ったことを認めたLブランズのレスリー・ウェクスナー会長兼最高経営責任(CEO)は、VSと不調が続くもう一つのブランド、ピンク(Pink)のトップ交代を決定。事業を見直し、顧客を取り戻すために必要なあらゆる方策について検討すると約束している。
なお、米EW.comによれば、先ごろテレビ放映された“エンジェル”たちが登場する年に一度のVSのショーは今回、視聴率が昨年から急落。過去最低となった。Lブランズが今後、このショーをどうする意向であるかについては明らかにされていない。