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Akhenaton Images / Shutterstock

携帯電話の着信音をカスタマイズするリングトーン系のサービスは、米国などではもはや過去のものになった。しかし、スマホがまだ完全に浸透していないインド市場では、リングトーンは自己表現のツールとして多くの人に使われている。

そこに目をつけたスタートアップ企業が「Vyng」だ。同社はアンドロイド限定のアプリで、スマホに着信がある度にスクリーン上にカスタマイズ可能な動画をフルスクリーンで流すサービスを始動した。

12月13日、Vyngはイーベイ(eBay)創業者のピエール・オミダイアが運営するOmidyar Networkらから、400万ドルのシリーズA資金調達を実施したとアナウンスした。米国のロサンゼルスに本拠を置く同社の累計調達額は1100万ドル(約12.5億円)に達した。

「一日に80億回もの電話の着信があるというのに、着信音は退屈なものばかりだ」とVyngのCEOのPaul Katsは話す。Vyngの名称はビデオのVと着信音のringを組み合わせたものだ。Katsは今年のフォーブスの「30アンダー30」に選ばれた。

Vyngのユーザーはお気に入りのインド映画のスターが踊る動画などで、着信通知をカスタマイズできる。発信元に応じて異なる動画を再生することも可能だ。スマホのロックスクリーン上に動画を表示するこのアプリは、アンドロイド限定だが、インドでは高価なiPhoneのシェアは1%以下であり、KatsらはこのアプリのiOS対応を急ぐつもりはないという。

アプリのアイデアを発案したのは共同創業者のJeffrey Chernickだった。彼はスマホのボイスメモを着信音として活用しており、それを見たKatsらが着信音をコンテンツでカスタマイズするビジネスのポテンシャルを見出した。

「リングトーンはとても魅力的な自己表現のツールだ。これに動画を組み合わせれば、もっと多様なユーザー体験を実現できると考えた」とChernickは話した。

現状のVyngの利用者の78%は、口コミでこのアプリの存在を知った人々だ。Vyngは新興国のスマホユーザーらに人気で、特にインド人の利用者が多い。ユーチューブ上には3000を超えるチュートリアル動画が掲載され、英語やヒンディー語、マレーシア語、ベンガル語などの言語で操作方法を説明している。最も人気の動画の再生回数は160万回を突破している。

Vyngの利用者らは今後、インターネット上のインフルエンサーになる機会が与えられる。アプリの動画ライブラリーには既に600万本以上の動画がそろっており、そこにはインドの大手メデイア企業のものもあれば、ユーザー自身が撮影した動画もある。

ユーザーらは、着信動画に魅力を感じてVyngをインストールするが、その後はアプリのライブリーから様々な動画を楽しむようになる。現在、Vyngユーザーの間で最もトレンディーな動画の発信元は、中国のTikTokのユーザーが撮影した動画だ。VyngとTikTokのユーザー層は、10代の若い女性が大半を占めているという点で類似している。

編集=上田裕資

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