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スコベルは現在、他の人々がより落ち着いた形で家族の死や施設への入居に対処できるよう手助けする仕事に、誇りを持って取り組んでいる。ケアリング・トランジションズの目標は「エキスパートになることで差別化を図ることだ」とスコベルは語る。「私たちは、家族の負担を取り除きたいと思っている」

米国では、ジュリストロスナーやスコベルのような経験をする人がこれまでになく増えている。毎年約4000万人の成人が、愛する家族をできるだけ長く自宅に住まわせるため、食事、入浴、買い物など身の回りの世話や医療面での介護をしている。米国で家族の介護に携わる4人に1人はミレニアル世代だ。

介護の代償は家庭内に留まらない。ギャラップの調査によると、フルタイム勤務者が介護のため欠勤することによる生産性損失は、年間250億ドル(約2兆8000億円)を超える。介護の負担は依然として女性の方が大きいものの、男女間の差は狭まってきており、米国の労働者で介護に携わっている人の割合は女性で20%、男性で16%だという。

ジュリストロスナーは、多くの企業が福利厚生にウェルシーを利用するようになってきている背景にはこうした厳しい現実があると語る。

「これは大きなウィンウィンの関係」とジュリストロスナーは言う。「企業は価値の高い従業員を支援し、従業員の定着率や生産性を改善できる。一方で従業員は、自分の生活の中でも非常に私的で重要であるこの分野について、支援や安心感、そして専門家の意見を得ることができるのです」

州レベルの対応も進んでいる。連邦政府による「家族医療休暇法」では介護者に12週間の無給休暇を与えるよう定められているが、ニューヨーク、カリフォルニア、ニュージャージー、ロードアイランドの各州では有給の家族休暇や医療休暇を認めている。また、さらに少なくとも30の州が介護に関する法律を導入している。

「介護と介護が従業員に与える影響に関しては、議論は始まったばかりです」とジュリストロスナーは言う。「これが今後5年、10年と続く膨大なトレンドとなることを私は期待しています」

編集=遠藤宗生

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