職場での性差別を逆手に取る方法

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2. 何かを要求する際は利他的に

この戦略は2つの意味で効果的だ。女性は皆の利益を考えるものとされている上、人は自分に利益のあることには肯定的な返事をしやすいからだ。

例えば、あなたが時折の在宅勤務を希望しており、緻密な月報を書く必要もあるとすれば、こんな風に提案してみよう。

「月報をもっとしっかり書きたいと思っていて、そのための良い方法を考えました。月報はかなり緻密に書かなくてはならないので、オフィスから離れ、集中する時間を取れたらとても有益だと思います。月に2度、金曜日に自宅で月報作成に専念したいのですが、いかがでしょうか」

会社に利する解決案を上司に提案することで、自分の要求をのんでもらいやすくなる。

3. 質問をする

「~という理解で正しいでしょうか?」といった質問で相手の論点を繰り返すことで、誤解を避けるとともに、相手の話をきちんと聞き、向こうの関心事をこちらも気にかけていることを示せる。

相手が持つ目標の理解は交渉を成功させるために重要な戦略だが、多くの人は自分の結論や立場ばかりを共有し、自分の動機については話そうとしない。相手に「その心は?」と聞く質問(例えば「その価格にはどのようにたどり着いたのですか?」)をすれば、相手の思考プロセスを引き出せる。

仮に、金曜日に在宅勤務したいという希望を上司が許可しなかったとしよう。その理由は、金曜日はオフィスにいる必要があるからで、火曜日なら大丈夫かもしれない。もしくは、今は駄目だが、半年後なら許可できるのかもしれない。相手の思考プロセスを聞き出す補足的な質問をすれば、皆にとって良い内容の合意に達することができる。

これらのアプローチはある意味、伝統的な男女の役割を強化するものだ。デュークほど意識的ではないにせよ、不公平な社会に自分の言動を合わせるのは疲れるし、頭にくる。私はこうした戦略を、「淑女のように交渉する」のではなく「関係性を保持しながら自分の望むものを得る」行為だと考えたい。

多くの人が直面する偏見や男女間の不平等は、自分たちだけで直せる問題ではない。女性が反動を恐れることなく、必要とするものや、自分にふさわしいものを要求できるようになるには、全体的な変化が必要だ。

だが私たちは、変化に向けた努力をする間、現状の社会の中でうまくやっていかなければならない。女性に対する偏見について意識を高めれば、自分の望むものを得やすくなるはずだ。

編集=遠藤宗生

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