ビジネス

2018.12.14

経営とは「手元にある機会」をどれだけ最大化できるか極めること|麻生輝明

麻生輝明(左)、柴田雅人(右)


──採用において、会う人を増やすという接点の話以外に、会社として意識していることはありますか?

麻生:結局、優秀な人が当たり前に応募してくる会社の空気感をどう作るかだと思っています。例えば 「グーグルで働く人は優秀な人」という認知・ブランドができているからこそ、グーグルには優秀な人達が一定数応募するという良い循環ができているのだと思います。

この循環を掘り下げると、社内にいる優秀なメンバーが優秀な応募者を惹きつけるという構造になっているので、鶏か卵かという話ではあるものの、メンバーの採用レベルは妥協せず、優秀な人を取り続けることが重要になっていきます。

また、人が応募しやすくなる仕組みとして、仕事内容を透明化することにも取り組んでいます。応募した人が「パフォーマンスが出しやすいものは何か」、「やりたいことは何か」、ジラフではそれに対応する「どのような仕事があるか」。これらを明確化していくコミュニケーションが地道ながらも最終的には大事だと思います。

──実際拝見していて、他の若手ベンチャーに比べて中途の人が抵抗感なく入りやすい社風なのかなと感じています。

麻生:若いメンバー中心の会社ではあるものの、堅実にユーザー集客・収益化できているベンチャー企業は珍しいので、中途の方にとっても安心して入社できるというのはポイントですね。

営業部門トップに就いているのは経営経験のある元大手商社マンですし、外資コンサルティングファームからも2名入社、CFOとして外資系投資銀行のIBD出身者が参画しました。

よく「前職の業界は採用の際、関係あるのか」を聞かれますが、今働いているメンバーも多種多様な業界から入社しており、そこまで強い関係はないです。どちらかといえば、「リユース業界のネット化」という面白さを伝えられる場として面接を設定しており、共感して頂いた人が入社に繋がっている印象を受けます。

 

周りの「できないだろう」という予想を裏切り続ける

麻生:最後に、大事な要素の3つ目は「負けず嫌い」であることだと思います。

──「負けず嫌い」を掘り下げると、具体的にどんなことでしょうか?

麻生:起業家の新しいアイデアは、「実現性があるのか」「商習慣に合ってない」と当初から反対されることがどうしても多いものです。自分のアイデアや仮説が正しいことを証明するには、最終的に事業で結果を出すしかないと思っていて。

頭ごなしに否定されたときに「絶対に実現させてやる」と思うような負けず嫌いな性格でないと、途中で心が折れてしまうと思います。実際始めてみると、予想もしなかった障害がありますから。「どうせすぐ辞めるだろう」「出来るわけがない」と言われた際に、その「できないだろう」という周りの予想を裏切り続ける意志こそが起業家として大事だと思います。

資金調達のエピソードでお話したように、投資家候補から「もっと目立つ事業をやろうよ」などと言われた中で、それに対する反発から、自分のサービスに全力投球して、結果を出していったことが今のジラフに繋がっている気がします。

──ありがとうございました。最後に読者の方へメッセージをお願いします。

麻生:ジラフは今年5期目に突入し、組織や事業の規模が大きく変化している真っ只中です。当然、出来上がった組織で働くよりも成長過程を見る機会に恵まれると思います。

職業人生の中で、組織・事業がどういったプロセスで成長していくのか間近で見れる機会はそう多くないと思いますし、弊社のようなフェーズのベンチャーに入社することは人生スパンにおいて大きな財産になります。その中でも、明るい雰囲気でそういった体験ができるのは、ジラフならではの良さですね。

なるべく早く挑戦したほうが長期的にはリスクが小さくなりますから、起業やベンチャー企業への入社といった挑戦に早すぎることは無いと思います。

連載 : 起業家たちの「頭の中」
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文=中山航介 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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