苦節10年で26億円を調達、カナダのロボット企業CEOが描く夢

(c)ROBOTIQ

カナダのケベック本拠のロボティック企業「Robotiq」が12月11日、約2300万ドル(約26億円)の資金を、ボストン本拠の投資企業Battery Venturesから調達した。

Robotiqは様々な企業のロボットアームに取り付け可能な、カスタムグリップやカメラ、多様なセンサーの製造を行う。また、それらの機器を統合的に運用可能なソフトウェアも開発しており、企業らが独自のロボット設備を導入することを支援する。

このソリューションをRobotiqは「コラボレーション・ロボティクス」と名づけ、ロボットが人間のそばで働くシチュエーションを想定している。

「当社が提供するツールボックスは、顧客が様々なセンサーやグリップと組み合わせて、自在にカスタマイズ可能だ」と同社CEOのSamuel Bouchardは話す。パーツを組み合わせれば、すぐに動作可能で、ソフトウェアと一式で提供されるRobotiqのプロダクトは、既に様々な自動車メーカーや製造業者に用いられている。

Robotiqの創業は2008年。Bouchardとラヴァル大学のクラスメートら2名の、合計3名で始動した。「私は起業家一家に生まれた。だから自身でビジネスを立ち上げるのは、自然な流れだった」とBrouchardは話す。

しかし、金融危機の真っただ中だった2008年に起業するのは容易ではなかったという。「ベストな時期だったとはいえないが、徐々に状況は改善した。1つ目のプロダクトは失敗したが、2つ目でうまくいった」

同社が目標とするのは小規模な工場の作業を自動化し、そこで働く人々がより大きな目標に向けて歩みだすことを助けることだ。「製造業分野では人手不足の問題もある。当社のシステムを導入することは、職場環境の改善にもつながる」とBouchardは話した。

Robotiqは現在、48カ国の190社のディストリビューターらと提携し、様々な業界向けにプロダクトを出荷している。Battery Venturesからの出資を受け、さらに規模を拡大していく構えだ。

「当社のテクノロジーは非常に幅広い分野に導入可能だ。成長を加速させるうえで、今は絶好のタイミングだと考えている」

編集=上田裕資

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