これは、同社が発表した「2019年のとんでもない予想(Outrageous Predictions 2019)」10選の2番目に挙げられたものだ。同社はこれらの予想を「可能性は低いが過小評価されている出来事で、実現すれば金融市場に衝撃を与える」ものと説明している。
サクソバンクは、テスラの買収額は1株520ドル、総額で900億ドル(約10兆2000億円)となると予想。これは、テスラの現在の時価総額640億ドルの1.4倍で、8月に同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がテスラ株の非公開化を考えているとツイートした際の株価を100ドル上回るものだ。
サクソバンクいわく、自動車のデジタル化が進んでいることから、アップルはユーザーの生活にさらに深く入り込むための「次のフロンティアは自動車だ」と考えるだろうとのこと。
サクソバンクはまた、アップルの共同創業者である故スティーブ・ジョブズが「ひとりよがりになったり的はずれな存在になったりすることを避けるため、大きく大胆な賭けに出る」ことを好んでいたと指摘し、「テスラはより大きな財力を必要としており、アップルは現在提供しているアップルカープレイよりも深い方法で自社エコシステムを自動車分野に拡大することが必要だ」と説明した。
あり得ない話なのか?
この予想があまりに現実離れしているように感じるなら、サクソバンクが挙げた他の「とんでもない予想」の一部を見てみよう。
・トランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長を解任する
・英国の解散総選挙で労働党のジェレミー・コービン党首が首相になり、英ポンドが米ドルと同価値になる
・ドイツが景気後退に陥る
・欧州連合(EU)がデット・ジュビリー(債務の帳消し)を発表する
・ゼネラル・エレクトリックの債務を巡り投資家の間でパニックが起こり、信用収縮にネットフリックスが巻き込まれる
サクソバンクは、信用収縮によりネットフリックスの資金調達コストが倍増し、「コンテンツの成長に急ブレーキがかかり、株価が急落する」と予想している。また、ディズニーが2019年に動画ストリーミング分野に参入することも、ネットフリックスの成長停滞の要因とされる。