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ブラジルに学ぶ「幸福」をつくる教育 


グーグルやアマゾンが求める人物像とは

現在の世界の時価総額上位の企業、グーグル、アマゾン、フェイスブック、いずれもこの20年程度で設立された会社だ。これらの会社で求められる人材は、基礎学力も自己表現力も身につけ、「ロジカルに考え抜き、チームで協働し、新しい価値を創出する人」。20世紀に求められた「マニュアルに沿って、既存の成功モデルを踏襲する人」とは異なる。

今の日本の教育は、20世紀の社会にあわせて設計されたものだ。これから社会に出る子供達にとってこのままでよいのだろうか? 日本人が苦手な自己表現力を高めるために、前回までに述べてきたようなブラジルの「会話中心の教育」を取り入れるべきなのか?

残念ながら、日本の教育現場にそんな時間は残っていない。先生も生徒も基礎学力の習得に手いっぱいだ。基礎学力の習得時間を削って、会話中心の教育を取り入れたところで、いつぞやの“ゆとり教育”の二の舞になってしまうだろう。

筆者はその解決方法がテクノロジーの活用だと考える。

Edtech(エドテック)という言葉がある。EducationとTechnologyを組み合わせた造語で、テクノロジーを活用した教育のことだ。世界ではずいぶん前から話題となっていた言葉だが、最近日本でもようやく認知され始めた。

Edtechによって基礎学力習得にかける時間を大幅に効率化することが可能だ。テクノロジーの活用により、学習者の様々なデータを取りながら、一人ひとりの学習を最適化するといったことが実現できるようになってきた。

今までの、クラス全員がただ同じ黒板を見る授業では、各生徒の理解度は関係なく全員が均一の授業を受ける(生徒が授業にあわせる)必要があったが、テクノロジーの活用により一人ひとりの理解度に応じて最適化された授業を受けられる(授業が生徒にあわせる)ようになるのだ。

AIというすご腕の家庭教師が生徒一人ひとりの横についてマンツーマンの授業をしてくれるようなイメージだ。このような教育手法が、米国を中心に世界に広がりつつある。

これからの教育は、学習が一人ひとりに最適化されることで「基礎学力」を効率的に身につけることができるようになる。そして、その分増える時間で自己表現力などの「社会で生きる力」を伸ばす時代になっていくだろう。次回は、そんな新しい教育の事例を具体的に紹介する。

連載 : ブラジルに学ぶ「幸福」をつくる教育
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文=稲田大輔

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