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ところで、筆者は前述の通りレジャーホテルも評論の対象としているが、興味本位な色眼鏡で見られてきた側面のある業態だ。現にそのようなコンセプトの施設も散見するが、同社の運営する「バリアン」ブランドはレジャーホテルという概念にとらわれず、リゾート/ビジネス/シティホテルといった多業態の要素をうまく取り込み調和させた新業態ホテルとして知られる。カップルズホテルという面を担保しつつ“複合型進化系ホテル”という概念を創出した形態だ。

 
大阪にも進出したバリアン「ホテルバリアンリゾートなんば心斎橋店」

実際に出向くと、ロビーエリアでは様々な無料サービスが提供されており、カップルをはじめ、女子会のゲスト、ビジネス利用のサラリーマンなども臆することなくしばし滞在している。まさにレジャーホテルの概念にはない“パブリックスペース”だ。

他方、同社のグループのホテル利用者であればお気づきだろうが、カプセル・リゾート・カップルズを問わず無料サービスの豊富さには度肝を抜かれる。施設によって内容は異なるが、各種アクティビティからカラオケ、アルコールまでフリー(無料)なのは、このグループホテルでは当たり前だ。

 
リゾートホテルの雰囲気が溢れる「ホテルバリアンリゾート新宿アイランド店」

なぜホテル業界の常識を次々と覆すトライをするのかと聞くと、荻野氏は「世の中の不具合さを見つめているからです」と語る。また、「誰もやりたがらなかった、やろうとさえしなかった独自の『へんな戦い方』で挑んでいく」のだともいう。業界が成熟すると間違ったことが当たり前になり、選択肢のない中で消費者もそれが当然と思い込む。

「この世に直したい商売がある限り、それを改革するビジネスチャンスがなくなることはない」と、荻野氏は熱く語る。

 
豊富な無料メニューもグループホテルの魅力

メディアでホテルを紹介するのは、かなりハードルの高い仕事だと感じる。有名なホテルを紹介したら「知っている」と言われ、奇をてらった施設を紹介しても「泊まったら快適じゃなかった」と揶揄される。支持者の少ない施設をイチオシなどと紹介すれば、施設からお金をもらっているんじゃないか? と邪推される。実名でホテルを推薦するのは、評論家の生命線にかかわる行為ともいえる。

“へんな戦い方”をしてくれるニュートン・サンザのグループホテルは、私のような評論家の評価すら高めてくれるほど、利用者の支持を得ている施設を多く所有している。

ニュートン・サンザグループには「一生涯の複合ストーリー戦略」なるものがある。学生時代は「カラオケパセラ」や「バリアン」で。社会人で残業がつらい日は「安心お宿」のカプセルへ。素敵な人に出会ったら結婚式もおまかせ。そして親・子供・ペットと共にリゾートホテルで家族の想い出を……と、学生から社会人、結婚、家族にペットからアクティブシニアへと人生のストーリーを演出する。

また、同グループは子育てにもフィーチャーしている。2018年4月には東新宿に保育園「あんしんつぼみ保育園」を開園した。この名称には、シングルマザーがグループ企業で安心して働けるようにという願いも込められている。

ホテルに必要なものは、「ハード」「ソフト」、そして「ヒューマン」といわれる。異業種・多業態企業が手がけるホテルの複眼的視点にも常に“人”がいる。

編集=Forbes JAPAN 編集部

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