ホテル評論家として活動を始めて2年目の頃。当時は利用者目線でラグジュアリーホテルからビジネスホテル、カプセルホテル、レジャー(ラブ)ホテルまで横断的な評論をモットーにしていたが、とあるカプセルホテルへ覆面取材に出向いた際にあまりの衝撃を受け、某写真週刊誌の覆面取材ランキング企画で、このカプセルホテルを1位にした。
「豪華カプセルホテル安心お宿」ではなんと“シモンズ”を採用
実はこのホテル、都心一等地に数多く展開する「カラオケパセラ」と同じ会社が運営していることがわかった。さらに、リゾートホテルから温泉宿、レジャーホテル、ウェディングなど多業態にわたり施設を運営しているという。
ホテル評論家になる前、私はパセラで(邪道な使い方かもしれないが)楽器の練習をさせてもらっていたので馴染み深かった。何より驚いたのは、これもホテル評論家になるかなり前、食事中に雨が降って傘がない時にビニール傘を返却不要で譲ってくれた、歌舞伎町にあるグリル料理のレストランもこの会社が運営していたことだ。
これらの施設を手がけるのは「ニュートン・サンザグループ(株式会社ニュートン/株式会社サンザ)」だ。“新業態開発企業”を標榜し、オリジナリティ溢れるレジャー施設運営で注目されている。
宿泊施設でいえば、上記のカプセルホテル「豪華カプセルホテル安心お宿」ブランドで6軒、伊豆エリアに5軒のリゾートホテル(内2軒は愛犬と泊まれるホテル)、宿泊主体型ホテルを横浜と大阪で計2軒、最近では女子会利用・ビジネスユースでも人気のカップルズホテルが11軒の合計24軒。
愛犬と楽しめる温泉リゾート「ウブドの森伊豆高原」
特段、積極的に異業種・他業態運営のアピールをしていないとはいえ、これだけのホテルを手がけているのだから、ノウハウ豊富なホテル専業の運営会社と想像してしまう。
そのような先入観を覆す意味でも、同グループホテルをメディアでとりあげる際、“あのカラオケパセラの運営企業”と紹介すると少なからず驚かれる。代表取締役社長(グループCEO)は荻野勝朗氏(69)。スキー用品店として有名な「ヴィクトリア・スポーツ」を160店舗、売上1000億円以上の全国チェーンに育て上げた人物としても知られる。
代表取締役社長(グループCEO)荻野勝朗氏
このヴィクトリア成長の秘密には徹底した顧客目線があり、ニュートン・サンザグループにもそのマインドは貫かれている。
カラオケ店の食事が美味しくないという先入観に、“美味しくなかったら代金を返金する”という「お味保証制度」で真っ向から立ち向かい、割り切りサービスで清潔感に乏しいカプセルホテルという常識に、充実設備と徹底したサービスで“進化系カプセルホテル”ブームを巻き起こす。また、徹底した“犬目線のサービス”でご主人も快適な愛犬ホテルシーンも牽引する。
多彩な無料アクティビティもグループリゾートホテルの魅力