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グロービス経営大学院大学 准教授/声楽家


さて、昨今、このジャパン・ブランドに、陰が差しているように思うのは私だけだろうか? ことに、危機感を覚えたきっかけは、日産のゴーン氏の逮捕である。確かに犯罪は許されるものではない。しかし、まだゴーン氏は犯人ではなくて、疑いをかけられているだけだ。この状況は、海外からはどう見えるだろうか?

まず、ゴーン氏の給料は高いかもしれないが、馬鹿高くはない。世界には100億円以上もらっている社長もざらにいる。しかも、日本人の日産の経営者たちは、司法取引をして捕まっておらず、まだ罪が確定もしていないなかで外国人2人(ゴーン氏と前代表取締役のケリー氏)だけが逮捕されている。推定無罪の法則があるだろうに、企業の役職もさっさと解任された状況だ。

それこそ海外から見たら「国まで加担するのか?」と、ゴーン氏に同情が集まる要素がたくさんあるように思える。そのうえ、もしも、無罪なんてことになったら……。後世、あれこそが「ジャパンブランド」崩壊のきっかけになったと言われないことを願わずにはいられない。

ブランドは、漢方薬のようなものだ。効果効能はよくわかっているのだが、作用機序が解明されているわけではない。そのブランドの特徴のひとつとして、ある日いきなり崩壊する、ということがある。

マクドナルドのブランド崩壊劇

マクドナルドはその一例になるかもしれない。バブル時代、1985年のマクドナルドはちょっとした“いいもの”だった。当時、ビッグマックは単品で420円、ハンバーガーも230円。ドリンクとポテトをつけたら700円近くという立派なお値段だった。

しかし、バブル崩壊後、「39セット」「100円マック」と値段を下げ続け、そのブランド崩壊の決め手となったのは、2013年に始めた60秒サービスではないかと思う。



マクドナルドの狙いとしては、もう価格は下げられないから、回転率を上げるためにオペレーションをより改善しよう、という狙いでのプロモーションだったのだろうか。しかし、その結果、崩れた商品の写真がSNSに多く投稿され、強く非難されることとなった。

そのマイナスの余韻が残るなか、2014年にはマグドナルドの中国の取引先が、消費期限切れの食肉を使っていたことが発覚。そして、立て続けに異物混入のニュースが報じられた。ちなみに、その頃のハンバーガーの価格は、安いときには50円で、1985年と比較すると約8割引き。もはや同じ商品の値段ではなかった。

さて、何が言いたいかというと、このような異物混入や、取引先の不祥事は2014年に急に起きたわけではないだろう、ということである。

文=武井涼子

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