なかなか消えない女性への暴力問題 欧州各国議会でも多発

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国連は毎年「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に合わせ、性に基づく暴力と闘うための運動として「オレンジ・ザ・ワールド(Orange the World)」キャンペーンを展開している。今年のオレンジ・ザ・ワールドは11月25日に始まり、16日間続いた。

同キャンペーンの基本原理は、世界中で女性が行う活動(特に女性への暴力と闘う活動)を認め、称賛することだ。今年の活動のタイトルは近年世界中に広がった#MeToo(ミートゥー)や#TimesUp(時間切れ)を取り込み、「#HearMeToo(ミートゥーを聞く)」とされた。 

これは、団結と結束を求める非常に強力な呼びかけだ。女性への暴力という暗い陰が存在しない国や地域、コミュニティーはない。人権に関する記録を誇らしげに示す国でさえも、家庭内暴力(DV)やエンターテインメント業界での女性の権利侵害、その他の形の暴力など、女性への暴力をいまだに排除できないでいる。

国連は、女性への暴力問題の解決に向けて進展を遂げてきた。FGMや未成年者の結婚においては特にそうだ。それでも国連によると、女性に対する暴力の防止と終息を目指す取り組みには資金不足という大きな課題がある。そこで、欧州連合(EU)と国連は、女性に対する暴力を根絶させるため「スポットライト・イニシアチブ(Spotlight Initiative)」を立ち上げた。主要な貢献者であるEUは、同イニシアチブに5億ユーロ(約640億円)を割り当てることを確約している。

今後必要なのは、団結と結束、そして能力構築に注力することだ。女性に対する暴力は許容されるものではない。それに反した考えは、いかなるものも21世紀には存在し得ない。

翻訳・編集=出田静

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