機内持ち込み手荷物については、多くの航空会社がサイズ規制に加え、重量規制も設けている。カンタス航空の場合、手荷物1点の重量は7kgまで。同社はこの規制を順守するため、オーストラリア各地の空港の搭乗口に計量器を設置する。
興味深いことに、米国の大手航空会社では機内持ち込み手荷物の重量規制を設けている会社は存在せず、その代わりに手荷物の最大寸法が決められている。しかし、荷物預け入れ料金が上昇を続けるにつれ、これも変わる可能性がある。
サウスウエスト航空を除くほとんどの米航空会社は今年、受託手荷物の料金をほぼ一斉に釣り上げた。今後、機内持ち込み荷物の中身を増やそうと考える搭乗者は増えるはずだ。
米国では、受託手荷物に関する規制がかなり緩い。オンラインチェックインやモバイルチェックインの技術により、乗客は航空会社の従業員による受託手荷物の確認を受けないまま、保安検査を抜けて搭乗口に向かうことができる。
また、搭乗口係員が規定サイズを超えた手荷物の持ち込みを監視することは時々あるものの、重量を確認する人はいない。そのため数十キロの重さの鉛や金の塊を引きずっていき、頭上の物入れに収納することも、(乗客にその筋力があれば)可能だ。
オーストラリアの機内持ち込み手荷物に関する新たな重量規制は、業界でも先駆的な動きのようだ。シドニー・モーニング・ヘラルド紙によると、オセアニア地域で重点的に運行するカンタス航空、ジェットスター、タイガーエアの3航空会社は全て、機内持ち込み手荷物の重量規制を設けている。しかし、米国の航空業界でも規制の厳格化が加速する中、北米中で同じような規則が導入されるのはそう遠くないかもしれない。