仏抗議デモと米GMの決断、共通点は「国民の痛み」無視する政府

Photo by Mustafa Yalcin/Anadolu Agency/Getty Images


ドナルド・トランプ米大統領は、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を決定。地球を自滅させないためには化石燃料の使用を抑制し、最終的には禁止することが喫緊の課題だと確信する多くの人々を激怒させた。

だが、化石燃料の使用をやめるという構想は、安価な燃料が個人の移動手段のためだけではなく、寒さをしのぎ、十分な食料と衣類を確保するためにも必要だという人たちにとって、持続可能なものだろうか。その答えが「ノン」だというのが、「黄色いベスト」運動の参加者たちだ。

(過去30年以上にわたって世界の自動車業界の動向を追ってきたジャーナリストである)筆者はこれについて、次のように考える。

地球は約1万5000年前から温暖化に向かい始め、かつて北米を覆っていた巨大な氷床は、五大湖やその他の数千に上る小さな池や水たまりに変わった。確かに、人間の活動によって排出される二酸化炭素は、自然に幾らか影響を与えてきたに違いない。

だが、火山や森林火災、地震、その他の自然災害が及ぼしたほどの影響ではないだろう。再生可能エネルギーは、それを買うことで餓死する人が出ないのであれば、素晴らしいものだ。

国民への配慮が不可欠

トランプは工場閉鎖とシボレー ボルトの一部のタイプの生産中止を決めたGMと、同社のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)を厳しく非難した。だが、GMの行動は、気候変動に対する米政府の姿勢が招いたものだ。

米仏いずれの政府も、政策や国民に課す義務は、日常生活における人々のニーズを把握した上でのものでなくてはならない。そうでなければ、国民は投票行動によって、最悪の場合には街頭で抗議活動を行うことによって、それらに対する答えを示すことになる。

編集=木内涼子

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