ライフスタイル

2018.12.12 12:30

コーヒーカルチャーの先端、メルボルンで見つけた「7つのキーワード」


4. ウオッシュド or ナチュラル?

さらに「ST.Ali」で聞かれた質問がこちら。豆を洗う、とはピンときませんでしたが、コーヒーの実を収穫後、コーヒー豆を取り出す際に水で洗い流すのがウオッシュド。洗わず、果実ごと乾燥させてから豆を取り出すのがナチュラルなのだそうです。一般にウオッシュドが雑味が少なくすっきり、ナチュラルは果実感や甘味が強く、コクのあるタイプに仕上がるのだとか。


メルボルンの台所と称される「クイーン・ビクトリア・マーケット」内コーヒー豆の専門店 「McIver’s Coffee & Tea Merchants」にて。https://www.mcivers.melbourne/

5. 浅煎りで自家焙煎

そんな豆を深くローストしてはデリケートな味わいの違いがわからなくなってしまいますから、いまのコーヒートレンドは断然浅煎り。メルボルン最大のマーケットであり、多くの食料品店が軒を並べる「クイーン・ビクトリア・マーケット」のコーヒー豆専門店で、「浅煎りでなにかおすすめありますか」と尋ねたところ、怪訝な表情で「うちの豆はみんな浅煎りよ」と返されました。

なるほど、見れば色もみな薄いですね。おまけにオーガニックという表記のものも多数。

浅煎りの特徴としては苦みが少なく、さわやかな酸味を感じられるようなものが多いようです。またその豆を自家焙煎するのもいまどきの潮流でして、「ST.Ali」も、後述する「Market Lane Coffee」も自家ロースターを備えています。気になるカフェがあったらロースターがあるかチェックしてみてもよいかも。

6. ハンドドリップ

さて、そんなコーヒーをどう飲むか。まずは最近ポピュラーなのがこのハンドドリップ。一定以上の年齢の方には懐かしさを感じさせるこの淹れ方が、いままたトレンドとなっています。挽いたコーヒーをフィルターに入れ、お湯を注ぐにはさまざまな流儀があるようで、メルボルン市内の人気カフェ「Market Lane Coffee」では最初に真ん中に注ぎ壁を作るのがコツのようでした。


メルボルン市内に6つのカフェとコーヒー豆の卸も手掛ける「Market Lane Coffee」。www.marketlane.com.au

7. フラットホワイト

最後はグローバルなコーヒートレンドというより、オーストラリア発のキーワードである「フラットホワイト」。これはメルボルンでは定番の飲み方ですが、最近東京のカフェにも輸入されており(といってもまだまだ本式にはかないません)、今後流行りそうな気配を見せています。

「フラットホワイト」とはつまり、エスプレッソにスチームミルクを加え、上に少量のフォームミルクをのせたカフェラテに似ている飲み方。ラテに比べればミルクが少なく、よりきめ細かい印象があります。また、同じくエスプレッソをお湯でのばしたものを「ロングブラック」と呼ぶのがオージー流。エスプレッソ、カプチーノ、マキアートなどイタリア語由来のカフェトレンドも多くありますが、今年は「フラットホワイト」、来るんじゃないかしら。

連載:いまおいしい、いま知りたい食のトレンド最前線
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Text & Photos by Miyako Akiyama Special Thanks to オーストラリア政府観光局、ビクトリア州政府観光局

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