知られざる「AI大国」カナダ政府が掲げる4つの目標

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倫理面でのリーダーシップ

ディープラーニングの発展に伴い、プライバシーやAI兵器、政治システムの操作、セキュリティなどの面における課題が指摘されている。AIの兵器化や中国によるAIを用いた監視が問題視される中、カナダの研究者が中心となり、AIを導入する上での倫理的なフレームワークの構築が進められている。

カナダは、「The Montreal Declaration for a Responsible Development of Artificial Intelligence」などの取組みを通じて、「公的な議論を活性化し、進歩的で包括的なAIの発展を提言する」ことを目標に掲げている。

研究面でのリーダーシップ

CIFARは、1億3500万ドルを投じてトロントにベクター研究所を開設した。同研究所には、世界トップレベルの機械学習やディープラーニングの研究者が集まり、共同で研究開発を行う予定だ。

イノベーション面でのリーダーシップ

カナダには、200を超えるAIスタートアップがある。AI版Yコンビネータ「NextAI」などは、起業家とコンピュータビジョンや自然言語処理、強化学習などの分野で世界トップクラスの研究者とをつなげ、スタートアップの成長を支援している。

ダイバーシティの強化

米国が国境を閉鎖し、他国の優れた研究者へのビサ発行を拒否する傾向にあるのとは対照的に、カナダはAI分野において積極的に海外から研究者や学生を招聘している。例えば、Milaでは発展途上国から将来有望な研究生を招き、世界的なAI研究者のもとでインターンとして働く機会を提供している。

編集=上田裕資

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