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国民は「うんざり」

政府の決定は自らの勝利だとして、デモ隊はさらに勢いづいている。強硬派は「譲歩は遅すぎた」と批判。大統領が一般の国民とかけ離れた典型的なエリート主義者であるとの見方を変えるものではないとしている。

農村や地方部に住む国民にとって、計画されていた増税は大きすぎる負担だった。ここ数年、生活は苦しくなるばかりで、すでに多くが月々の家計のやり繰りに苦労している。そうした状況では、温室効果ガスの排出量削減を目指す政府の取り組みに構っている余裕などない。エリートたちとその地方に対する態度に、うんざりしていたのだ。

現在の状況をさらに残念なことにしているのは、マクロンが大統領選に出馬するにあたり、自ら新党「共和国前進」を結成。アウトサイダーと目されていたことだ。

農村や地方部では郵便局や交番、病院が閉鎖され、住民たちはそれも歓迎していなかった。公共交通網も大幅に縮小され、公共サービスを利用するにも、中心部までの移動の便を車に頼るほかなくなっている。

その上、フランスのガソリン価格は欧州各国の中で最も高い。小売価格は現在、1リットル当たり約1.99ユーロ(約255円)程度で、価格のうち半分以上が税金だ。燃料税の引き上げは彼らにとって、最後の一撃だったのだ。

デモに参加した人たちにとっては、事態は急を要するものだった。緊急時に備えて全ての車に常備しておくことが義務付けられている黄色のベストが、各地に広がった抗議運動の象徴となっているのはそのためだ。

世論調査では国民の70%が、デモ参加者らに対する共感を示している。

編集=木内涼子

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