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クリエイティブなライフスタイルの「種」

生産者の手で丁寧に耕された土壌で育ち、日光をたっぷりと浴び、雨風に耐え、やっと収穫の時期を迎える……。私たちは野菜を食べる際、そんなストーリーを想像し、そうあって欲しいと願っています。

しかし、10月にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が「1.5℃特別報告書」で公表したように、地球の気候変動は想像以上に深刻な状況。さらに、爆発的な人口増加による食料不足も懸念されています。そんな状況下で農業は、農地の確保、後継者獲得、収穫量安定化と課題が山積みです。今後、テクノロジーの力を借りることなしに成り立つことは不可能でしょう。

長い歴史の中でずっと人々が寄り添い、構築してきた農業。そこにテクノロジーが入り込み、従来の構造を破壊することで、私たちが得るもの、そして失うものは一体何なのでしょうか。

イベントのために来日したベルリンの都市型農業スタートアップ「Infarm(インファーム)」とともに、農業の未来について考えました。

世界に着々とその根を広げるクールな革命家たち


従来の農業のイメージを覆す、アーティスティックな創始者らの出でたち。左から、オスナット・ミカエリ氏、エレツ・ガロンスカ氏、ガイ・ガロンスカ氏

水も肥料も廃棄物も少量で栽培できるサステナブルな農業システムとして、「ヴァーティカルファーミング(垂直農法)」が注目されて久しく、世界各地でスタートアップが誕生しています。それら都市型農業のスタートアップに、続々と投資がされている状況がありながら、身近になるのはまだまだ先のことだろう、と感じていた方も多いでしょう。

しかしここにきて、ベルリン発スタートアップ「インファーム」のヴァーティカルファーミングシステムが、2019年までのヨーロッパ1000カ所設置を目指し、2018年内で300カ所に設置完了と、急速な勢いで世界に広がっています。


LEDライトに照らされた農作物が整然と並んだキャビネット、これが未来の農場

「農業はこれから、気候変動や急激な人口増加にどのように対応していくかが大きな課題となります。現状、農業従事者や農場は圧倒的に足りておらず、サプライチェーンも長すぎます。そのため農作物の鮮度が落ち、それを防ぐために化学薬品が必要になり、その化学薬品が土壌を汚染するという悪循環が起きる。さらに、そうして生産した農作物の50%以上が廃棄物になり、その処理でまた環境を破壊しているのです」とインファーム創始者のオスナット氏は語る。

文=佐藤祥子・国府田淳

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