ディスプレイは必要に応じて広げることができる。資料にはOLEDディスプレイを傷や破損から守るために、画面を特殊な素材でサンドイッチ状にコーティングすることが記されている。
しかし、このデバイスを実現するためには、数多くの技術的課題を克服する必要がありそうだ。なぜなら、日常的に折りたたんでも、破損せず正常なディスプレイ機能を保ち続ける素材の開発は非常に困難だからだ。
これは他の折りたたみ式スマホに関してもいえることだが、画面の全体がフレキシブルな端末の開発には、非常に高い技術的ハードルが想定される。
クアルコムの幹部は今年、折りたたみ式ディスプレイのテクノロジーはまだ、完成品と呼べるクオリティではないと発言した。現状の折りたたみ式ディスプレイの耐久性は、まだ十分ではないという。この予測が正しいのかどうかは、サムスンが来年発売するGalaxy Fを見るまでは分からない。
リチウムイオン電池が、充電を繰り返すと劣化するのと同様に、フレキシブルディスプレイも一定の期間で寿命を迎えることが予測される。Galaxy Fの価格は、1770ドルもの高値になるとの報道もある。これほど高価な端末が、短い期間で寿命を終えるとしたら、消費者はがっかりしてしまうだろう。
サムスンが折りたたみ式端末の開発において、この技術的課題を克服できたのかどうかは定かではない。しかし、今回の特許に記された筒状のデバイスは、このテクノロジーを最大限に活用したものといえそうだ。
サムスンが先日公開した折りたたみ式スマホのデモ機は、筐体の厚みが少々気になる、不格好なデバイスに見えた。同社は現状のデザインには満足していないはずだ。実際に市場に投入されるGalaxy Fは、もう少し薄いデバイスになることも期待したい。