B&Nはこのデバイスによって、電子書籍を楽しむ顧客をアマゾンから奪おうとしている。最大の注目ポイントはその価格で、49.99ドルという安値に設定されている。これは、今秋に発売された大型タブレットのNOOK 10.1を80ドルも下回る値段であり、価格に敏感な消費者に大きくアピールすることは確実だ。
また、NOOK 7のストレージ容量は16ギガで、以前のモデルから2倍の容量になっている。アマゾンのFire 7の廉価版の価格はNOOK 7と同じ49.99ドルだが、その容量は8ギガであり、ここでもNOOK 7に軍配があがることになる。Fire 7の16ギガ版は69.99ドルで販売されている。
B&Nは全米の50州で630店舗を運営する米国最大の書店チェーンで、近年はデジタルコンテンツの販売に注力している。
NOOK 7はアマゾンのFire 7と同様に、フロントカメラとリアカメラを備え、WiFiやブルートゥース接続機能を装備している。バッテリーの持続時間はFire 7が8時間であるのに対し、NOOK 7は7時間となっている。
2017年4月時点で、全米で約2万6000名を雇用していたB&Nはここ数年、売上の減少に直面し、今年2月には一部の従業員のレイオフ(一時解雇)に踏み切ると報道された。
同社は米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で「最適な人員の配置を進めていく。必要に応じてスタッフを増員する部門もある一方で、削減する部署もある。これにより店のオペレーションを効率化し、経営の合理化を進めていく」と述べていた。
米国では近年、ウォルマートも書籍販売に力を入れており、B&Nを取り巻く状況は厳しさを増している。B&Nはアマゾンのキンドルに対抗する形で、数年前に電子書籍端末タブレットのNOOKを市場に投入し、デジタルコンテンツ販売への注力を進めている。