手紙で振り返るジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の人生

2002年10月17日テキサス・スタジアム演説したジョージ・H・W・ブッシュ元大統領(Photo by Ronald Martinez/Getty Images)


米国や世界の政治家に宛てた手紙、ウォーターゲート事件や中国に関する手紙、旧ソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領との初会談についてつづった手紙などがあるが、私のお気に入りは、胸を刺すような内容の手紙だ。ブッシュの政治家としての人格は、彼が持っていた敏感な心を封じたものだったからだ。

ブッシュは1998年、子どもたちに向けた手紙で、「自分の老化を一時停止したい」とつづっている。「自分がAチームに入ることはもはや期待していないが、皆とゴルフをしたいし、釣りをしたり靴を投げたりしたい。皆の成功を喜びたいし、不幸に見舞われたときにはそばにいて支えたい。海が荒れることは確実にあるので、困難には必ず直面する」

ブッシュが一般市民に宛てた手紙が、彼の死去後にいくつか公開されている。その大部分は励ましや祝辞、幸運を祈る言葉で、多くは受け取った人の人生に何らかの影響を与えていた。

1997年に孫娘のジェナ・ブッシュ・ヘイガーに宛てて書かれ、最近公開された手紙でブッシュは「私は以前に大統領として、他者に奉仕することなく成功した人生を送ることはできないと言ったが、これは正しかった。私はそれを今実践し、幸せだ」と書いている。「私は幸せを見つけた。これはもう私のものなので、もはや追求することはない」

編集=遠藤宗生

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