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2018.12.06 16:30

日本でイノベーションを後押しする3つの「うねり」とは?

フォーブス・メディアLCC副会長のクリストファー・フォーブス

フォーブス・メディアLCC副会長のクリストファー・フォーブス

フォーブス アジア「Forbes Asia’s 200 Best Under A Billion 2018」の受賞企業を招待したフォーラムが11月19日、東京・大手町のパレスホテルで開催された。

フォーブス アジア主催の「Forbes Asia’s 200 Best Under A Billion 2018」は、アジアの売上10億ドル以下の優良企業リスト200社を表彰する企画で、8回目となる今年は初めて日本でフォーラムを開催した。日本企業は過去最多の38社が選出された。

フォーブス ジャパン編集長の高野真は、「アジアの優良企業200のうち、38社が日本の企業。2年前がわずか13社だったことを考えると、驚くべき数字です。日本人としても誇りに思います」と述べた。



フォーブス・メディアLCC副会長のクリストファー・フォーブスは、「中小企業でありながら大きな価値のある業績を残している優れたアンダービリオネストを選ぶのは決して容易ではありません。このリストには、素晴らしいマネジメントと起業家としてのスキルを持った企業が選ばれています。このリーダーたちの中から、(長者番付など)他のリストに登場する方が出てくるかもしれません」と期待感を示した。


 
「良質なコンテンツを作り出すことにリミットはない」MM2アジアのメルヴィン・アン会長

パネルディスカッション第1部では、「成長のためのベストプラクティス」というテーマで、シンガポールに拠点を置くテレビ・映画大手制作会社「MM2アジア」のメルヴィン・アン会長、香港の資産運用会社バリュー・パートナーズグループ(恵理集団)CEOの区景麟氏、Forbes ASIAのティム・ファーガソンがトークセッションを行った。



アン氏は、動画コンテンツの制作やストリーミングサービスを提供するMM2社の成長の鍵は、「若くて才能のあふれるクリエイターを採用し、スポンサーと協力して、ダイナミックなイノベーションを起こす。最終結果だけにとらわれず、エキサイティングなコンテンツを作ることが大切だ。コンテンツは今飽和状態ではないかと言われるが、優れた才能を発掘すること、良質なコンテンツを作り出すことにリミットはない」と述べた。

区氏は、「事業が順調な時も、困難な時も、重要なのなコストを抑えることと、ベストな選択を常に考えること。世界最高のクオリティを実現するためには、激しい競争を促し、社内に問題がある時は再編も必要だと思う。2012年から17年にかけて利益を損失させなかった企業は少ない。変革を遂げた企業が成功している」と強調した。


「Forbes Asia’s 200 Best Under A Billion 2018」の受賞企業の代表ら

「日本でイノベーションを後押しする3つの”うねり”が起きている」世耕弘成・経済産業大臣

フォーラムに登壇した世耕弘成・経済産業大臣は祝辞で「現在日本ではイノベーションを起こす3つの大きなうねりがある。日本はアジアの優良企業によるグローバルの成長を全力で応援する」と述べた。

世耕氏は「1世紀の歴史を持つForbesがアジアの成長企業に光を当て、成長を後押しするためBest Under A Billionの表彰が始まって8年。日本とアジアでイノベーションが生み出す成長に向け、大きな構造転換が起きつつあるこのタイミングで、このような会が初めて日本で開催されることを大変嬉しく思っております」と語った。
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文=久世和彦

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