「遺体動画」で炎上のユーチューバー、今年も年収16億円を記録

ローガン・ポール(Photo by Tara Ziemba/Getty Images)

ローガン・ポール(Photo by Tara Ziemba/Getty Images)

人気ユーチューバーのローガン・ポールは今年1月、日本の青木ヶ原の樹海で遺体動画を撮影した動画を投稿し、大批判を浴びた。事件を受けてユーチューブはポールとの提携を解除、共同開発していた独自コンテンツの制作も中止した。
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「ひどい過ちを犯してしまった。これは許されることだとは思えない」と彼が謝罪した動画の再生回数は5280万回を記録した。

しかし、驚くべことにポールは事件後も収入を増やしていたのだ。2017年6月1日からの1年間で、彼は税引前収入で1450万ドル(約16億4000万円)を稼いだ。この金額は前年度の1250万ドルから16%の増加だった。ポールは先日フォーブスが発表した「最も稼ぐユーチューバーランキング(Highest-Paid YouTube Stars list)」で、10位に入った。

彼の収入の大半はユーチューブの広告からだった。彼の動画ブログは今年1月の事件前の6カ月間で、累計25億5000万再生を記録していた。1月以降の5カ月間の累計再生回数は6億3000万回に落ち込んだが、数十億回に及ぶ動画再生により、彼は莫大な富を得ていた。
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ブランドとの広告契約や、ユーチューブのオリジナルシリーズの製作は中止になったものの、彼は自身の配信チャンネルを持っており、熱心なファンたちは今でも彼を支持している。Maverickという名のブランドでTシャツなどを販売し、年間で推定1000万ドル以上の売上を生んでいる。アイテムはオンライン限定販売のため、利益率は通常の店舗を大きく上回っている。

ユーチューブのファンたちは、お気に入りのスターが問題を起こしても気にしない傾向がある。スウェーデンのピューディパイの場合は昨年、反ユダヤ主義的な投稿で非難を浴びたが、その後も人気は衰えず今年のランキングに、年収1550万ドルで9位に入った。彼の昨年の年収は1200万ドルだった。今では離れていた広告主らも戻り、1投稿あたり45万ドルの広告費を支払っている。

事件後のローガン・ポールは動画の投稿を減らしたが、別の金儲けの手段を見つけた。8月には1900万人のフォロワーを持つ英国のユーチューバー、Ksiとボクシングで対戦し、1日で数百万ドルを稼いだとされている。この結果に気をよくしたポールは、別のボクシングの対戦も計画中だ。

「僕が世の中から消え去ることを望んでいる人は多いけれど、そうはならない」とポールはその後のインタビューで話した。

フォーブスは今回のユーチューバーらの収入の算定にあたり、Captiv8やSocialBlade、Pollstarらのデータを参照した。また、業界関係者に対するインタビューも行った。

編集=上田裕資

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