従業員パフォーマンス向上の鍵は自信 上司ができる2つのこと

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自信のある従業員は、より熱心かつ自主的に仕事に取り組み、独立性と問題解決能力が高い。これらは、自信のあるチームを作ることで得られる効果のほんの一部だ。

しかし、誰しもが自信ある状態で仕事を始めるわけではない。普段は自信にあふれた従業員でさえ、苦境に直面すると自己不信に陥ることがある。とはいえ、リーダーが従業員の自信を向上させる方法にはさまざまなものがある。ここでは、その2つを紹介する

1. 達成可能性が50%の目標を設定する

努力を必要としない目標、出勤して仕事を終わらせるだけで達成できるような目標は、従業員に対して「あなたには難しいタスクを遂行する能力がない」というメッセージを送ってしまう。すると従業員は、より難しいことにチャレンジする自信を失ってしまう。難易度の高い目標を設定すれば、「私はあなたを信じているし、信頼している。この目標は難しいが、あなたが適任だ」というメッセージを送れる。

私が創業したコンサルティング企業「リーダーシップIQ(Leadership IQ)」が行った調査では、今年の自分の目標が大きなものを達成するのに役立つと思っている人はわずか15%、今年の目標が自分の潜在能力を最大限発揮させてくれると感じていた人も13%しかいなかった。さらに、最もやる気を高める目標は達成可能性が五分五分のものだということも示された。

設定される目標の多くは、簡単過ぎることが問題だ。成功することが事前に分かっていれば、やる気は出ず、従業員に自信を与えられない。

また、簡単過ぎる目標ほど一般的ではないが、破壊力は同じなのが、難し過ぎる目標の設定だ。これは時に「ストレッチ目標」の名目で行われるが、例えば成功可能性が5%しかないプロジェクトを与えられれば、従業員のモチベーションが下がるだけでなく、失敗が既に予期されていることで従業員の自信は砕かれてしまう。

この解決法も先ほどと同じで、一歩引いて、自分が部下に課している目標について考えることだ。目標達成のためにはどのようなスキルを会得する必要があるかを従業員に聞いて回り、その目標の難易度を測ろう。新たなことを学ぶ必要がない場合、難易度を30%上げ、達成可能性が50%のスイートスポットに近づける。また、従業員に対して目標は簡単に達成できると思うかを尋ねる。始める前から既に達成できると分かっていれば、目標の難易度を20%上げよう。こうして、適切なレベルになるまで目標の調整を続ける。
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編集=遠藤宗生

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