──これからどのように社会に働きかけていくのでしょうか?
湯浅:詳細な取り組み内容は検討の途上ですが、「制度の利用しやすさ」を向上することで企業の採用力向上に寄与できるような企画を念頭においています。また、プロジェクトに参加いただくパートナー企業・団体企業は人材会社と相談しているところですが、いまは外食業、小売業、流通業の企業など、店舗を広く展開している企業を想定しています。
──反応を見つつ、少しずつ規模を拡大させていくということですね。
大湯:大事な点としては、これは女性活躍だけを目的にしているわけではない、ということです。私たちは、無条件でママの雇用を進めるべきとは思っていませんし、「女性登用率が高い社会=良い社会」だとも思っていません。
先ほどの弊社で働いている元大手人材会社出身の女性が典型的な例ですが、社会的に力を発揮できていない女性が多いのではないかな、と考えています。彼女たちを活躍できるようにすることは、CSR(企業の社会的責任)的な観点を抜きにしても、単純に企業側にもメリットが多い。
社会を良くするためには、あらゆる人が輝ける環境をつくるべきで、女性の活躍という切り口には特に伸び代があるのではないかなと考えました。「変えよう、ママリと」によって女性だけででなく、最終的には会社のプラスになると思っています。
目指す理想は、正のループを生み出すこと。私たちの方針に賛同した企業の経営陣がママが働きやすい雰囲気づくりにコミットすることで現場が変わり、それを人材会社と協力して定点的に評価する。将来的には、取り組んでくれた各社にフィードバックを返すこともできますし、ママリというメディアを通して取り組みを発信したいとも考えています。
それによって会社のブランドが向上し、人材会社を通じて応募も増えるようになる。ママリにとっても社会にとっても企業にとっても良い効果がある「Win-Win-Win」の関係を築いていければ、と思っています。
──メディア企業が社会に働きかける際の、一つのモデルケースになるかもしれません。
大湯:ユーザーアンケートでも、自分のためというよりも、「次世代のママに自分と同じ苦労を味わわせたくない」という声を多数いただきました。
企業へのフィードバックだけでなく、「あなたたちの声のおかげで社会がこんなに変わったんだよ」とママたちに伝えたい。ママたちの悩みを最もよく聞いている私たちだからこそ、その声で社会を変えることができたら最高だな、と思っています。