ビジネス

2018.12.03

「100億総不幸社会」に生きたいか 聴衆を魅了した「1位起業家」のスピーチ全文

アストロスケールCEO 岡田光信




今日本のニュースは消費税増税だとか少子高齢化だとか、日本の技術力低下とか、なんか暗いニュースがすごく多いと思うんですね。でも、ここにいる皆さんはそういった全てのことをぐっと飲み込んで、我がこととして、言い訳せず、変えていくしかないと思っています。ぜひそれを皆さんとやっていこうじゃないかって、そう思うんです。

「市場がない」のはグッドニュース? バッドニュース?

できます。 だって宇宙ゴミ問題なんて、6年前始めたとき、本当にみんなに笑われたんです。「誰がお金を払ってくれるんでしょうか」とか、「技術ないですよ」「そもそもレギュレーションが無茶苦茶ですよ」「なかなか世界がうんと言わないですよ」とか、「いや宇宙機関が始めているので、民間がやることじゃないですよ」とか、あるいは「滅茶苦茶お金がかかりますよ」と言われたんです。

極めつけは、「市場がない」と言われました。ここにいる起業家の皆さん、「市場がない」って、グッドニュースですか? バッドニュースですか?

…グッドニュースですよね! 市場があればそこにはコンペティターがいてパイを取り合っている。市場がなければつくればいいって話です。

まだまだそういう分野がいっぱいあります。地球環境問題、先ほど(登壇したヤフーの)安宅さんがおっしゃった熱のコントロール、これ、超重要課題です。あるいは、地上の土、土壌。毎日毎日やせ細っています。なぜだと思いますか。皆さんが土壌でできた農作物を食べて、消化して、排泄して、川に流して海に流しているからです。海から戻ってくるのは水蒸気だけです。ミネラルは戻ってこないんですよ。こういうマクロな問題をもっともっと解決しないといけないんです。それが山のようにあります。

持続可能でなければ経済は発展しない

これはビジネスチャンスです。ソーシャルインパクトの分野はリターンが少なくていい、というのは、僕は反対です。儲けていいはずです。なぜなら、持続可能でなければ経済は発展しないからです。

地球環境問題は山ほどありますし、これからプレーヤーがどんどん入ってくると思います。宇宙の環境問題についてはまだ弊社しかおりませんので、どうぞ、任せてください。 皆さんとともに2050年、持続可能な社会を、ぜひつくっていきたいと思っています。ありがとうございました。

文=林 亜季 写真=小田駿一

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