ビジネス

2018.12.03

年商100億円突破、音楽業界を変える「ロイヤリティ回収」企業

Create Music Group共同創業者のJonathan Strauss(左)、Alexandre Williams(右)(Photo courtesy of Megan Sistachs)


ポスト・マローンなどの大物も契約

CMG傘下となったFlighthouseは、現在1800万人のフォロワーを持つ。ポスト・マローンなどの人気アーティストが楽曲を配信し、大手レーベルがプロモーションに活用し、再生回数は月間10億ビューを超える。また、この1年でAtlantic、Capitol、Interscope、Island、Republic、Warner Music Group、300 Entertainmentがマーケティングパートナーに加わった。

現在、ハリウッドに本拠を構えるCMGの従業員数は95名だ。オフィスビルはかつてディズニーが入居していたもので、面積は2万5000平方フィートある。現在建設中の新社屋には、5つのレコーディングスタジオと動画の制作設備を備えるという。

従業員は、ヒップホップやEDM、バイラルといった音楽のジャンルごとに「トライブ」と呼ばれる15名のチームに分けられ、それぞれのトライブは担当ジャンルの配信とパブリッシングを手掛ける。Straussによると、ジャンルごとにチームを編成するのは、ロイヤリティを徴収する上で非常に効果的だという。

「我々は、早い段階から契約アーティストのロイヤリティは1つのパイプラインに集約して徴収することにした。アーティストは、迅速で透明性のある形でロイヤリティを支払ってもらうことを求めており、我々は小切手を受け取ってから48時間以内に支払っている」とStraussは話す。

EDM界のスターであるマシュメロは、当初CMGと契約するのをためらったという。Straussによると、Marshmelloは2016年に数千万ドルを稼いでおり、これほどの大金を稼ぐアーティストに対してロイヤリティを徴収するメリットを説得することは容易でなかったという。Strauss は1年ほど交渉を続けてマネジャーとの面談にこぎ着けた。

「前金で15万ドルを支払い、90日以内に収入を倍増できなければ、ロイヤリティは100% マシュメロに支払う」と提案し、ようやくサインをもらうことができたという。

パフォーマーのDeShawn RawもCMGと契約し、今では毎月4万ドルを稼いでいる。「彼らがいなければ、どうなっていたかわからない」とRawは話す。もし、あなたがまだ未発掘の有望アーティストであれば、CMGにスカウトされる日が訪れるかもしれない。

編集=上田裕資

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