魁であれ。変革の時代を生き抜くルール


「それは典型的な外資系の考え方ではないか」という人もいるだろうが、日本でも古くから「最初が肝心」と言う。

最初の100日にこだわれない人は、次の100日も大切に出来ない。「まだ、業界のルールが分かっていないから」というかもしれない。では、何日あれば、会社のこと、業界のことを「完全に理解できる」のだろう。永遠にその日は来ないと断言できる。なぜなら全てが毎日変化しているからだ。

「たった100日では、十分な成果を出せない」と言うかもしれない。では、いつまで待てば、十分な成果が出る完璧な仕事ができるのだろう。100日で成果を出せない人には、いつまで待っても成果は出ない。

「JDI Future Trip」で発表したコンセプト商品も、商品化までは時間がかかる。しかしあえて100日で「ビジョンを示し、プランを提示すること」にこだわった。それが「First 100 days」のもつ意味と考える。大事なことはなによりもまず変わる、本気で変わろうとしていることを社会に示すことであり、絵空事ではなく具体的なビジョンとプランを示すことだ。

「変わることへのリスク」を口にする人は多い。経験がないことに挑戦するリスクが頭に浮かぶ人もいるだろう。だが、いまは「VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代」と呼ばれるほど、変化が早く、先行きが予測不能な時代である。かつては市場を開拓する先駆者に対し、フォロワーは先駆者に習い、改良を加えて先駆者を追い抜くことさえ珍しくはなかった。

日本企業は一時期、海外企業のフォロワーとして成長し、やがて世界経済へ大きな影響力を持つに至った。だが、いまは違う。変化の速度が速いために、フォロワーが成長する暇がない。追いつく間に参入障壁が極めて高くなっている可能性もある。

フォロワーがビジネスを展開する頃には、その市場は枯れている可能性が高まっている。変化が速い時代、フォロワーにとっては既にマーケットニーズがなくっているかもしれない。この変化の時代に、それまでのやり方に固執することは極めて危険だ。「いままでうまく行ったやり方」がこれからもうまくいく保証はどこにもない。我々が生きているこのVUCAの時代において、変化しないことこそがリスクそのものであろう。

文=伊藤嘉明

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