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魁であれ。変革の時代を生き抜くルール

ジャパンディスプレイCMO/X-TANKコンサルティングCEO・伊藤嘉明  

いま私がCMO(最高マーケティング責任者)として経営再建に携わっているJDI(ジャパンディスプレイ)は変革に取り組んでいる。その一つが今年8月に行った戦略発表会「JDI Future Trip」である。

私はそのイベントにおいて、多くの新商品およびサービスのコンセプトを紹介した。その中の一つに「HUD搭載スマートヘルメット」があり、そのプロジェクトのコードネームを「スパルタ」という。歴史の分岐点となった戦いに果敢に挑んだレオニダス王に由来する。

100万のペルシャ軍に対して、非戦を決定した神託に従って出撃しないギリシャの都市国家群。そのままでは敗北は必至と、スパルタの王レオニダスはわずか300の兵を率いて出陣する。レオニダスは敗れるが、レオニダスの戦いに奮起されたギリシャ都市国家群はペルシャ軍を退けることに成功する。歴史に「もしも」はつきものだが、レオニダスの出兵がなければギリシャはペルシャに滅ぼされたのではないか?

「JDI Future Trip」では、さまざまな商品コンセプトを提示し、BtoC市場への参入を表明した。これまでとは異なる姿を内外に表明することで、“変革の魁”になると事をコミットするという意味も込められている。BtoC市場への参入、そこから得られるフィードバックは技術力の向上に繋がり、BtoBビジネスにも好影響をもたらすと考えている。

「JDI Future Trip」には、「First 100 days」という言葉を添えた。その日は、JDIの変革の要であるマーケティング・イノベーションを推進する組織体を発足させて100日目に当たる。最初の100日で5つのコンセプト商品、サービスを発表できる形にし、「JDI Future Trip」を開催した。

なぜ、100日なのか──。

「100日でまとまらない戦略、方向性は成功にはつながらない」と考えるからだ。明確なビジョン、方向性は早期に示さなければならない。それができない場合そのビジネス、組織の命運は決まると言っても過言ではないだろう。

変化が早い時代、じっくり構えていては時代に取り残される。それ以上に、企業を変えていく場合やイノベーションを推進する場合にスピードは欠かせない。



あなたが転職をした場合、社内異動した場合、最初に何をするだろうか。多くの人は「様子を見る」のではないだろうか。新たな会社、業界の流儀、ルールを学び、それを身に着けてから具体的な仕事に手を付けようと考えないだろうか。その場の空気に合わせていこう、そのために時間を取ろうと考えないだろうか。

周囲からは「おとなしい人だ」「動きが遅い人だ」という印象を持たれてしまうかもしれない。そして、その印象はずっと拭えない。最初の100日でその組織の中でのあなたのポジションは決まってしまう。

文=伊藤嘉明

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