2003年から100か国以上で600万台のセールスを上回るアクセラは、どう見てもマツダのバックボーン的な車種だ。だからこそ、同車の新デザインや発表で失敗は許されない。同社の丸本社長や前田デザイン・ディレクターなどの役員が見守りに来ていたのも当然だ。
はっきり言って、このマツダ3(日本名:アクセラ)はマツダにとって、ただの新車ではない。全く新しいデザインと技術の方向性で、とても重要な再出発だ。2009年から導入された魂動デザインは業界で何度もアワードを受賞しており、世界中で多くのユーザーに愛されてきた。小型車のセグメントで、最も美しいクルマと評価されるほどだ。
しかし、9年間も全車種がそのデザイン・ランゲージを採用すると、正直なところ、どのモデルも少し似てきたし、「魂動デザイン」も疲れてきた。と言うことで、新しいデザインの方向性が必要だった。
今回のデザインは、これまでのエッジの効いた流れる曲線を強調する「ダブルモーション」から、キャラクターラインをなくしたスムーズなフォルムで、光と影の変化を強調する外観に変わった。「ワンモーションのシングルな動きでフォルムを描き、繊細なボディ造形に変わった」と、開発主査の別府耕太は語った。「ハッチバックはエモーショナルさを、セダンはエレガントさを追求した」と言う。
ボディのプロポーションはほとんど変わらないが、外観スタイリングはどちらも、ボディの面がまるで彫刻のように美しく削り出された感じがする。これは間違いなくクラス一の美人フォルムを保持している。
会場で会った辛口のアメリカ人ジャーナリストは、「アクセラはすでにこのセグメントで最も格好良いクルマでした。だから、この新型でどうやって、その評判をさらに向上させられるか、疑問でしたよ。でも、ここで発表されたハッチバックとセダンは確かにより美しくなっています。マツダは見事に一位を保持しましたね」と言った。
また、ドイツ人の同僚は「どうして日本の他のカーメーカーには格好良いセダンが作れないのでしょうかね」と、首を傾げていた。