国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」



ハッチバックとセダン

ハッチバックの外観は、昨年の東京モーターショーで発表された超格好良い「魁コンセプト」をベースに、市販車用にその大胆さを和らげた。ハッチバックの市販車の外観が、コンセプトカーと比べて少しトーンダウンされたとは言っても、まだまだ息を飲むほどの美人だと思う。ハッチバックが、アリアナ・グランデみたいなシャープな美しさだとしたら、セダンはモニカ・ベルッチのようなクラシックな美人だ。

この30年間、欧米の多くの新車発表会を取材してきているが、これほどデザインを褒められる日本のカーメーカーはなかった。しかも、ハッチバックもセダンも同じぐらい高く評価されることは、今までになかったね。マツダは、日本のロダンだろうか。

外観と同様に、室内も徹底した美しさとさりげなさを追求している。展示車の運転席に座ってみて、デザインと質感の良さに驚いた。インパネは、左右のドアトリムまでつながる一直線の造形で、エアコンのコントロールパネルと助手席側のルーバーを水平軸の中に一体化し、すっきりした印象をもたらしている。今回、全く新しくなったシートも抜群にサポート性がよく、座り心地は今までにないほど気持ちいい。



でも、今回大きく進化したのは、デザインだけではない。深化した「魂動デザイン」の他に、新世代ガソリンエンジンの「スカイアクティブX」、新世代車両構造技術「スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャー」なども採用している。しかも、 僕にはとても嬉しいことに、4WDが初めて採用されている。この一点だけで、より幅広い客層を狙えると思う。

エンジンは、5種類用意される。マツダが2012年から歌ってきた「スカイアクティブG」というガソリンエンジンは3種類で、ディーゼルエンジンの「スカイアクティブD」もオファー。そして量産車では初めてとなるガソリンエンジンでの圧着着火を実現した「スカイアクティブX」は排気量未公表だけど、ハイブリッドシステム「Mハイブリッド」と組み合わせられることが発表された。

全てのエンジンには6速M/Tまたは6速A/Tが用意されており、全体的なトラクションによって、前後のトルク配分を制御して車の安定性を保持する「G-ベクタリング・コントロールプラス」と追加されている。

さらに、安全装備では、新開発となるドライバー・モニタリングが設定されている。運転中のドライバーの状態を検知し、居眠りやわき見をしたとシステムが判断すると警報で注意を促すほか、スマート・ブレーキサポートというドライバーの疲労軽減に貢献する新機能を盛り込んでいるという。

これからのマツダのラインアップが全てこの美しいフォルムに変わっていくと考えると、思わず微笑んでしまう。今まで4WD仕様がなかったから、アクセラは買わなかったという同僚や友人も、それらの外観の美形に誘惑されるだろう。だって、こんな美しい彫刻、家の前に停めたくないですか?

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
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文=ピーター ライオン

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