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加藤浩晃 (京都府立医科大学 眼科学教室、デジタルハリウッド大学大学院 客員教授)

「医療4.0 (第4次産業革命時代の医療)』の著者・加藤浩晃氏の目にはいま、誰よりもはっきりと医療の未来が見えているようだ。その人をして「バック・トゥ・ザ・フューチャーばりに、未来を正確に先取りしている人たち」と言わしめたのが、高丸慶氏(ホスピタリティ・ワン)、喜納信也氏(ミナカラ)、小川晋平氏(AMI)の3人。

いずれも、テクノロジーを使って医療現場の課題の解決に挑んでおり、彼らの取り組みや、視線の先を見ていれば、「今後の医療イノベーションの行方が分かる」と加藤氏は言う。どういうことなのか─。

─医療イノベーターとして、3人を推薦していただきました。彼らのどんなところが優れているのでしょうか。

医療界において、「いまは異端」に見えるかもしれないが、必ず「次代の主流」になる変革を起こしている点です。変革には、医療現場、制度、ビジネスの3領域の連動が不可欠ですが、彼らはそれぞれの事業でこのポイントをしっかり押さえている。医療現場にどんな課題があり、必要とされる解決策は何かを肌感覚で察知し、つくり上げたサービスやプロダクトを必要な人に届けるための法整備への働きかけなどをしています。

そして、プロダクトやサービスをつくっただけで終わらせるのではなく継続させるために、ビジネスの視点をきちんと持って、収益モデルの構築もしている。アイデアだけの人は多いですが、この3点を押さえた変革者は希少です。

─高丸氏は「混合介護」の必要性を10年以上も前から指摘し、保険内と保険外のサービスを組み合わせた「オーダーメイド介護」事業を展開してきました。

今年からやっと豊島区をモデル地区にして始まった事業に、10年以上も前から取り組んでいたわけですから、時代がやっと追いついてきたという感じでしょうか。

オンライン医療を実現するために、「薬のIoT化」を進めている喜納氏は、OTCの塗り薬を作りました。いまはパッケージにQRコードをつけた単純な仕掛けかもしれないですが、薬を患者と医療者をつなぐ媒体に変えるという発想がすごい。3人目の小川氏は、200年も手付かずだった聴診器を進化させた上に、遠隔診断サービス事業にも組み入れました。いずれも患者の医療体験を大きく変える可能性があり、期待しています。

医療の使命は、病気を治すことだけではありません。医師法の第一条には、社会を健康にすることも医師の使命だと示されています。彼らはその実践者でもあるのです。

木原洋美 = 構成 小田駿一 = 写真

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