真摯な態度で、信頼を積み重ねる
──御社が急成長された背景には、強力なビジネスパートナーとの連携というのも一因としてあるかと思います。ベンチャーが大企業と連携するうえでのポイントをお聞かせください。
まず重要なのは、定性的な「業界内でのレピュテーション(評価)」だと思います。
大企業と仕事をするときには、「この会社って信用できるの?」と必ず問われます。そのときに、担当者の方が自信をもって「この会社は裏切らない」とか、「この会社は言ったことをちゃんとやる」と言えるようにすることが重要です。
そういった信用は、過去のどんな小さな取引や関係性においても、真摯に正しいことに取り組んできた、という積み重ねでしか築くことはできません。我々がいくつもの大企業と連携できるのは、「アカツキは誠実」という評価が業界内で認識されているからでしょう。どんなにトラブルが起きても、嘘をつかずきちんと向き合ってきた。だからこそ、信用を得ることができたのだと思います。
加えて、「違い」があったというのもあると考えています早くに成功した会社だからこそ、他社には無いノウハウがあるというブランディングで差別化できました。
結論としては、信用に値する「業界内でのレビュテーション」を築くことと、選ばれる理由としての「違い」を持つこと。大企業と連携する際には、この両輪が重要になってくると思います。
──採用と同じで、相手を裏切らないことが重要なのですね。
大企業であれベンチャーであれ、結局のところは「人」で仕事をしていますから。
例えば、上手くいっているタイミングでちやほやする人の中には、上手くいかなくなると離れていく人もいます。反面、私たちは苦しいときに助けてくれた人のことを一生忘れません。相手だって苦しい時の我々の態度にこそ、注目しているものです。短視眼的に関係性を見るのではなく、長期の視点に立って、人との信頼関係を積み重ねていくことが大切だと思います。
連載 : 起業家たちの「頭の中」
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