1963年にLブランズを創業したレス・ウェクスナーCEO(81)は、 米誌フォーチュンが選ぶ有力企業「フォーチュン500」に入る企業の中で、最も在任期間が長いCEOだ。また、ブルームバーグが提供する企業情報によれば、最高執行責任者(COO)のチャールズ・マグウィガンは61歳。取締役には79歳の男性もいる。
ウェクスナーは現在も、自社の旗艦ブランドであるVSを自らの厳しい管理下に置いている。また、今年3月には英紙フィナンシャル・タイムズに対し、ファッション業界が女性を“物として見ている”ことを憂慮する女性たちの議論をあざけるような発言をしていた。
ミハスは変化を起こせるか?
ライフスタイルブランド「トリーバーチ」の社長を約2年間にわたって務めたミハスなら、VSを21世紀のブランドに導くために必要なもの持ち合わせているだろうと期待する声もある。
女性のエンパワーメントのために尽力してきたトリー・バーチが創設した「トリーバーチ基金」は今春、女性のキャリアや人生に制約を課す固定観念打ち破ることを支援するためのサミットを開催した。
同基金のローリー・ファビアーノ理事長はウェブメディア「リファイナリー29」に対し、サミットの目的は固定概念と立ち向かい、無意識の偏見に対応することだと説明している。
VSはまさに、自らの将来を変えるため、長年抱かれてきた「女性が求めるもの」に関する考え方を変えなければならない。
ミハスには、シンガーにはなかった有利な点がある。男性だということだ。ウェクスナーをはじめとする“オールドボーイズ”は女性からは聞きたくなかったことでも、男性の話であれば耳を傾けるかもしれない。